“つまさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
爪先68.1%
爪尖17.6%
褄先4.8%
足尖2.4%
爪端2.4%
爪頭1.4%
爪前1.0%
趾先0.5%
前踵部0.5%
褄前0.5%
足先0.5%
足前0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さてもう一まわり、ゆるりとまわった爪先つまさきえんとどめたその刹那せつなにわか鈴虫すずむし
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
法師丸は、小姓の寝息を乱さないように爪先つまさきを立てゝ次の間を通り抜け、衝立のかげにつくばいながら奥の間に眠っている武士の寝顔を眺めた。
が、伊兵衛はただ爪尖つまさきで立って、木刀をすっと頭上へ挙げただけである。
雨あがる (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
磔身たくしんの頭から爪尖つまさきまでが、白くラン形で残されてしまったからだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
若君は衣服の褄先つまさきを引いて音をさせてみた。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
と、けものの如きおめきをあげ、剣前何ものも無碍むげ、いきなり新九郎の平青眼を踏み割るが早いか、さっと、脳天から褄先つまさきへかけて斬り込んできた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我々は靴を発明したために、非常に足尖つまさきや膝の本来の使い方を忘れてしまった。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かつて酒量少なく言葉少なかりし十蔵は海と空との世界に呼吸する一年余りにてよく飲みよく語り高く笑いこぶしもて卓をたたき鼻歌うたいつつ足尖つまさきもて拍子取る漢子おとこと変わりぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
結び目を解くきりのような爪端つまさきのそったものであった。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
まず最初に容貌かおだちを視て、次に衣服なりを視て、帯を視て爪端つまさきを視て、行過ぎてからズーと後姿うしろつきを一べつして、また帯を視て髪を視て、その跡でチョイとお勢を横目で視て、そして澄ましてしまう。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
年久くかはるる老猫ろうみようおよ子狗こいぬほどなるが、棄てたる雪のかたまりのやうに長火鉢ながひばち猫板ねこいたの上にうづくまりて、前足の隻落かたしおとして爪頭つまさきの灰にうづもるるをも知らず、いびきをさへきて熟睡うまいしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
道は爪前つまさきさがりになっていた。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
上草履うわぞうり爪前つまさき細く※娜たおやかに腰を掛けた、年若き夫人が、博多の伊達巻だてまきした平常着ふだんぎに、おめしこん雨絣あまがすりの羽織ばかり
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
十本あまりの毒刃は、ズ、ズ、ズと、趾先つまさきですり寄る刺客たちと一緒に、二人の前後に押し迫る。それが、二間に足らぬところまで来ると、おのずと止って、シーンとした静寂せいじゃく——死の沈黙。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
この一ちょうのかご、走りは走りだしたものの、先棒の趾先つまさきは、いつまでも、浅草の方角を指してはいないのだ。東南に、急ぐべきを、あべこべに、西北へ、
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
すると、カヴァの中央に、やや小さい円形の力が落ちることになるから、当然その圧し出された水が、上向き括弧かっこ())の形になるじゃないか。また、次に前のあのカヴァ前踵部つまさきで踏むと、今度はそこの形が馬蹄形をしているので、中央より両端に近い方の水が強く飛び出して、それが下向き括弧(()の形になってしまうのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
薄い茶と、左右に両方、褄前つまさきを揃えて裾を踏みくぐむようにして、円髷まげと島田の対丈ついたけに、面影白く、ふッと立った
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じい子供こども二人ふたりは、ガタガタとさむさにからだふるわしていわうえっていますと、足先つまさきまで大波おおなみせてきて、あかくなった子供こどもゆびひたしています。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
伝さんとおなじの、黒い、麻の着物のしりはしょりをおろして、手ぬぐいで、麻裏草履を穿いて来た足前つまさきをはたいて、上って来て、キチンとお辞儀をした。