趾先つまさき)” の例文
この一ちょうのかご、走りは走りだしたものの、先棒の趾先つまさきは、いつまでも、浅草の方角を指してはいないのだ。東南に、急ぐべきを、あべこべに、西北へ
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
十本あまりの毒刃は、ズ、ズ、ズと、趾先つまさきですり寄る刺客たちと一緒に、二人の前後に押し迫る。それが、二間に足らぬところまで来ると、おのずと止って、シーンとした静寂せいじゃく——死の沈黙。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)