“子狗”の読み方と例文
読み方割合
こいぬ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文吾がこの煑賣店に近づいた時は、何處で棄てられたか、見馴れぬ子狗こいぬが一ぴき、鼻を土に摺り付けて、物の臭ひを嗅ぎ𢌞つてゐた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
年久くかはるる老猫ろうみようおよ子狗こいぬほどなるが、棄てたる雪のかたまりのやうに長火鉢ながひばち猫板ねこいたの上にうづくまりて、前足の隻落かたしおとして爪頭つまさきの灰にうづもるるをも知らず、いびきをさへきて熟睡うまいしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
店の土間へ這ひ込んだ子狗こいぬに、煑賣屋の主婦の眼を晦ましたのとが、文吾の忍び足の法を會得しかける最初であつたが、近頃ではもう、鼠や子狗がうまく出て來なくとも、小ひさな石ころを一つ
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)