“つまさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
爪先85.7%
爪尖14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのへんからもう下り道になってもよさそうな時分だのに、いつまでもそれが爪先つまさき上りになっていて、私たちはその村の中心からはますます反対の方へ向いつつあるような気がしてきた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
それから、爪先つまさき立ちで戸口へ近づき、ドアをそっとあけて、下の階段に聞き耳を立てた。彼の心臓は恐ろしいほど鼓動した。けれど階段は、誰も彼も寝てしまったように、しんとしている。
月のしずくがかかったような、すそさばけず、しっとりと爪尖つまさかろく、ものの居て腰を捧げて進むるごとく、底の知れない座敷をうしろに、はてなき夜の暗さを引いたが、歩行あるくともなく立寄って
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)