老寄としより)” の例文
老寄としよりどもも老寄どもなり、寺の和尚おしょうまでけろりとして、昔話なら、桃太郎の宝を取って帰った方が結構でござる、と言う。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僧都、すぐに出向うて、遠路であるが、途中、早速、硝子ビイドロとそのまがたまを取棄てさして下さい。お老寄としよりに、御苦労ながら。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と申せば、庭先の柿の広葉が映るせいで、それで蒼白あおじろく見えるんだから、気にするな、とおっしゃるが、お身体からだも弱そうゆえに、老寄としより夫婦で一層のこと気にかかる。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぬしさへ命がけで入つてござつたといふところわしがやうな起居たちいも不自由な老寄としよりが一人居ては、怪しうないことはなからうわいの、それぢやけど、聞かつしやれ、姨捨山おばすてやまというて
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
びしよ/\降ると寒うござるで、老寄としよりには何より恐しうござるわいの。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)