“ばあさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
婆様24.0%
老婆20.0%
老母12.0%
祖母様12.0%
老婢8.0%
祖母8.0%
婆樣4.0%
老婦4.0%
老嫗4.0%
脱衣婆4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを羨まし気に見ながら、同年輩おないどしの、見悄みすぼらしいなりをした、洗晒しの白手拭をかぶつた小娘が、大時計の下に腰掛けてゐる、目のシヨボ/\した婆様ばあさんの膝に凭れてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
加藤の家へも梅干飴うめぼしあめを持って帰ってやると、老人じいさん老婆ばあさん大悦おおよろこびで、そこの家でも神棚かみだなに総燈明をあげて、大きな長火鉢を置いた座敷が綺麗きれいに取りかたづけられて
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
小倉に一と車積み出さしておいて、私は散らかった机の前で老母ばあさん膳立ぜんだてしてくれた朝飯のはしを取り上げながら
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「でも、おつるはお祖母様ばあさん手紙てがみ母様かあさまにみせたの」
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
すると弟の柳沢のいた、あの関口の加藤の二階が先だってから明いていて、柳沢のところの老婢ばあさん
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
禿鷹の模様のかれた祖母ばあさんの肩掛もある。
婆樣ばあさん上方者かみがたものですよ、ツルリンとしたかほ何處どつかに「間拔まぬけ狡猾かうくわつ」とでもつたやうなところがあつて、ペチヤクリ/\老爺ぢいさん氣嫌きげんとつましたね。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
二人ふたり婆樣ばあさん合槌あひづちつてる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
能く喋舌る老婦ばあさんが居て、こゝで郵便物は毎日交換されるの、あの氷を製造して居るのは自分の旦那だの。とノベツに話した。吾儕は湯が野まで乘ることに定めた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そこには白髪の老嫗ばあさんが立っていた。老嫗は穏やかなゆとりのあることばで言った。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
もとわたし対岸むかうに大きな柳のつて、其処そこ脱衣婆ばあさんて、亡者まうじや衣服きものをふんばいて、六道銭だうせんを取つてましたが、わたしはいけないといふ議論ぎろんがありました
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)