“ほゞ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
69.8%
略〻11.6%
略々7.0%
7.0%
保姆2.3%
較々2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしわたくしはほゞ抽齋の病状をつくしてゐて、その虎列拉コレラたることを斷じたが、米庵を同病だらうと云つたのは、推測に過ぎなかつた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
人に泣き顔を見せるのを嫌ひ、又よし泣くのを見せても声などを決して立てた事のない妻が、床の中でどうしてゐるかは彼には略〻ほゞ想像が出来た。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
その同時に起った二つの出来事に依って、事件の帰趨は、略々ほゞ判然と意識されたけれども、果してそれが、真実であるかどうか迷わなければならなかった。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
一国の神社仏閣じんじやぶつかく名所旧跡めいしよきうせき山川地理さんせんちり人物じんぶつ国産薬品こくさんやくひんるゐまでも、わけをいだして通暁さとしやすくしたる精撰せいせん也。此しよに右菱山ひしやませつほゞ見えたれど、さのみはとて引ず。
たゞ一つ缺點があつたのです——看護婦や保姆ほゞなんて人達にはつきものゝ缺點ですがね——ジン酒の瓶を手許てもとに忍ばせて置いて、時々やり過したのです。
ちよつと見ると、それは大人を小馬鹿にしてゐるのだとしか思へないので——今までもそれを悪摺わるずれのせゐにしてゐたものだが、それの間違ひであつたことが、較々ほゞ感づけて来たわけだつた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)