“おおよそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大凡69.0%
大略13.8%
大約6.9%
大概3.4%
大体1.7%
大率1.7%
無慮1.7%
1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自然主義とは、大凡おおよそそんな主義であるらしい。だから彼等に従うと、実際此の世の中にない事を書くのは、藝術でも何でもないのである。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何程の厚さに切れば、大略おおよそ同じ程にそろえられるか、その見当がお仙には付きかねた。薄く切ってみたり、厚く切ってみたりした。彼女の手は震えて来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そいつ等の人数は大約おおよそ十四五人は発見されたようだ。それも果して生物なのだか、それとも博士の発明していった何かのカラクリなのだか、これから当ってみないと判らない。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
境内また大概おおよそ旧に依りて存せらるゝを以て、塩谷しおのや宕陰とういん二十勝記のおもかげの残れるかたも少からず。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「だいぶ久しく書いているようだが、まあいつごろ済むつもりかね。大体おおよそ
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
卵〔牧野いう、Ovule の事〕ハ胎座内ニ在テ後ニ種子ト成ル、卵ハ大率おおよそ子房ノ中ニ居ス……卵ニ胞〔牧野いう、膜皮の事〕アリ或ハ一層或ハ二層、卵内ニ胚珠一点アリ、即チ異日果中ノ胚ナリ
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そして、本棚のあちこちから、本を抜き出し、ページの間から、一つずつオパール色の手紙をとり出した。無慮おおよそ二十通位の手紙がバナナのように机の上に積み重ねられた。
支倉の妻の静子がこの事について申述べた所もおおよそ同様であった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)