“あらかた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大略30.0%
荒方30.0%
大概20.0%
大半10.0%
大抵10.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貧乏は知らないと云ってもいから、愚痴になるわけはないが、自分の親を、その年紀としで、友達の前で、呼ぶに母様をもってするのでも大略あらかた解る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「はい芳江でござります! 話は大略あらかた戸の外でお聞き致してござります……いえいえどうあっても老師様はここから他へはやりませぬ! どうぞお止どまりくださりませ! 一生のお願いでござります」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
午砲どんを打つと同時に、ほとんど人影の見えなくなった大学の図書館としょかんは、三十分つか経たない内に、もうどこの机を見ても、荒方あらかたは閲覧人でまってしまった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「左様で……表の帳場に座っておりましても、慣れて参りますると、お通りになりまする方々の御身分、御役柄、又は町人衆の商売は申すに及ばず、お江戸の御時勢、お国表の御動静ごようすまでも、荒方あらかたの見当が附くもので御座いまするが……」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『えゝモウお蔭様で、腰が大概あらかた良いもんですから、今日もうして朝から起きてゐますので。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
飯「あれから孝助に話しましたところ、当人も大層に悦び、わたくしの様な不束者ふつゝかものをそれ程までに思召おぼしめし下さるとは冥加至極みょうがしごくと申してナ、大概あらかた当人も得心いたした様子でな」
以後兼太郎はあっちこっちと貸間を借り歩いた末、今の築地二丁目の出方でかたの二階へ引っ越して来た時には、女からもらった手切てぎれの三千円はとうに米屋町こめやまち大半あらかたなくしてしまい、のこりの金は一年近くの居食いぐいにもう数えるほどしかなかった。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「毎日毎日、同じ掃溜を覗いておりますると大抵あらかたその家の身代の成行きが判然わかって参りまする」