“荒方”の読み方と例文
読み方割合
あらかた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
午砲どんを打つと同時に、ほとんど人影の見えなくなった大学の図書館としょかんは、三十分つか経たない内に、もうどこの机を見ても、荒方あらかたは閲覧人でまってしまった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その手に属したお茶ッぴい連も一人去り二人さりして残少のこりずくなになるにつけ、お勢も何となく我宿恋しく成ッたなれど、まさかそうとも言いねたか、漢学は荒方あらかた出来たとこしらえて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「左様で……表の帳場に座っておりましても、慣れて参りますると、お通りになりまする方々の御身分、御役柄、又は町人衆の商売は申すに及ばず、お江戸の御時勢、お国表の御動静ごようすまでも、荒方あらかたの見当が附くもので御座いまするが……」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)