“おおかた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大方90.5%
大騙3.8%
大概1.0%
多分1.0%
多方1.0%
大半1.0%
大形1.0%
大略1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の無言でいるのを見た伝右衛門は、大方おおかたそれを彼らしい謙譲な心もちの結果とでも、推測したのであろう。いよいよ彼の人柄に敬服した。
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大騙おおかたりじゃ。針のみぞから天を覗くようなことを言い前にして、金を集めようという、大騙りじゃ」と、中には市九郎の勧説かんぜいに、迫害を加うる者さえあった。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さすればその香気かれが鼻を穿うがちて、心魂忽ち空になり、われを忘れて大概おおかたは、その罠に落つるものなり。これよく猟師かりうどのなす処にして、かの狂言にもあるにあらずや。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その功によりて月宮殿げっきゅうでんより、霊杵れいきょ霊臼れいきゅうとを賜はり、そをもてよろずの薬をきて、今はゆたかに世を送れるが。この翁がもとにゆかば、大概おおかた獣類けもの疾病やまいは、癒えずといふことなしとかや。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
多分おおかた小鼻怒らし大胡坐おおあぐらかきて炉のはたに、アヽ、憎さげの顔見ゆる様な、藍格子あいごうしの大どてら着て、充分酒にもあたたまりながらぶんを知らねばまだ足らず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
多方おおかたもう十兵衛が来そうなものと何事もせず待ちかくるに、時はむなしく経過たって障子の日晷ひかげ一尺動けどなお見えず、二尺も移れどなお見えず。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そのは空に薄雲うすぐもがあって月の光が朦朧もうろうとしていた。人通りはますますすくなくなって、物売る店ではがたがたと戸を締める音をさしていた。仲店なかみせ街路とおり大半おおかた店を閉じて微暗うすぐらかった。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
なる程きり島つゝじが一メンにはへて実つくり立し如くきれいなり。其山の大形おおかた
「これが所謂清水の舞台だよ。町が大略おおかた見えるだろう?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)