大概おおかた)” の例文
さすればその香気かれが鼻を穿うがちて、心魂忽ち空になり、われを忘れて大概おおかたは、その罠に落つるものなり。これよく猟師かりうどのなす処にして、かの狂言にもあるにあらずや。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その功によりて月宮殿げっきゅうでんより、霊杵れいきょ霊臼れいきゅうとを賜はり、そをもてよろずの薬をきて、今はゆたかに世を送れるが。この翁がもとにゆかば、大概おおかた獣類けもの疾病やまいは、癒えずといふことなしとかや。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
或時は角闘すもうを取らせ、または競争はしりくらなどさせて、ひたすら力業ちからわざを勉めしむるほどに。その甲斐ありて黄金丸も、力量ちからあくまで強くなりて、大概おおかたの犬とみ合ふても、打ち勝つべう覚えしかば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)