“おおく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
31.3%
多数18.8%
多分6.3%
大伯6.3%
大喰6.3%
大来6.3%
御贈6.3%
数多6.3%
過半6.3%
邑久6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて掙人かせぎにんが没してから家計は一方ならぬ困難、薬礼やくれいと葬式の雑用ぞうようとにおおくもない貯叢たくわえをゲッソリ遣い減らして、今は残り少なになる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼らがのんどに氷を与えて苦寒に怖れわななかしめよ、彼らが胆に針を与えて秘密の痛みに堪えざらしめよ、彼らが眼前めさきに彼らがしたる多数おおく奢侈しゃしの子孫を殺して、玩物がんぶつの念を嗟歎さたんの灰の河に埋めよ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
昨夜ゆうべの雨に甲板デッキは流るるばかり濡れたれば、乗客の多分おおくは室内にこもりたりしが、やがて日光の雲間を漏れて、今は名残なごり無く乾きたるにぞ、蟄息ちっそくしたりし乗客は、先を争いて甲板デッキあらわれたる。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おれは中でも、あの大伯おおくの幼い顔を見るたびに、心が痛んでならぬ。あの子は、もちろんお主も知つてのとほり、宝ノ太后おばばが西へ征かれた途中の海路うなじで、大田が急に産気づいて生みおとした娘だ。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
大喰おおくわされ!」とお糸さんは烟管きせるを火鉢のかどでポンと叩いて、「正可まさか女房子にょうぼこの有る人た思いませんでしたもの。 ...
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
大津皇子が薨じ給うた後、大来おおく(大伯)皇女が伊勢の斎宮から京に来られて詠まれた御歌である。御二人は御姉弟の間柄であることは既に前出の歌のところで云った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「御同様に、此方様こなたさまからも御贈おおくりでござろうから、諸事節約、緊縮きんしゅくして——」
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そして、数多おおくの象徴をけておいたのです。つまり、それに合した符号なり照応なりを、徴候的に解釈して、それで心の奥底を知ろうとしました。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
乗り合いの過半おおくはこの恢々に笑えり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おおかたこれも一人の不親切な女の、後で罰が当った話であったろうと思います。(邑久おおく郡誌。岡山県邑久郡裳掛村福谷)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)