“あまた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アマタ
語句割合
数多71.7%
許多9.1%
夥多8.7%
數多4.6%
幾多1.4%
甘垂1.4%
多数0.9%
0.5%
天窓0.5%
天足0.5%
(他:2)0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この際に当りて蕪村は句法の上に種々工夫を試み、あるいは漢詩的に、あるいは古文的に、古人のいまだかつて作らざりしものを数多あまた造り出せり。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
冬の一番の眺めは雪の降った中に数多あまたの鶴が逍遙しょうようして居るのを見るのですが、ラサ府では雪が降っても大抵二、三日で融けてしまう。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
浄悪じょうあくすべてをつつむ八よう蓮華れんげの秘密のみね——高野こうやの奥には、数多あまたの武人が弓矢を捨てていると聞く」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
菅茶山が「かくて七十五にも相成候」と書した此年壬午三月九日の書牘にも、例の如く許多あまたの人名が見えてゐる。しかし此度は新しい名字は無い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
天を開きてその長きいましめを解きし平和(許多あまたの年の間、世の人泣いてこれを求めき)を告げしらせんとて地に臨める天使の 三四—三六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
これほど明らかに口に出さなくとも、これにけないほどの不合理な理由から、人の批評をしたり、歴史の事実を判断するものは許多あまたある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これが、さおで操るがごとくになって、夥多あまたいい心持に乾いた亀の子を、カラカラとせたままで、水をゆらゆらと流れて辷った。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ていへんにはすで夥多あまた水兵すいへいあつまつてて、最早もはや工作こうさくはじまる模樣もやう
血だらけ、白粉おしろいだらけ、手足、顔だらけ。刺戟の強い色を競った、夥多あまたの看板の中にも、そのくらい目を引いたのは無かったと思う。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金齒きんばれたる口元くちもとい、い、子細しさいらしく數多あまた奴婢ひとをも使つかへども
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
數多あまたの人にまさりて、君の御覺おんおぼえ殊にめでたく、一族のほまれを雙の肩にになうて、家には其子を杖なる年老いたる親御おやごもありと聞く。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
數多あまたとりうちには故意わざきこえよがしに窃笑ぬすみわらひをしたのもありました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そうしてうす暗い夜の世界がべられると蝙蝠こうもりのように夜だけ羽をひろげて飛び廻る女供を狙う幾多あまたの男が、何処からともなく寒いのも打ち忘れてぞろぞろと出て来る。
女給 (新字新仮名) / 細井和喜蔵(著)
幾多あまた々々の孤児の手は、
其処そこには幾多あまたのモダン・ウィンパーが、そのルックサックに、都会の文化を一ぱいに詰め込み、肩に掛けたザイルに軽い憂鬱を漂わせ、雑踏に処して他人の邪魔にならない程度の気の利いたピッケルの持ち方をして、さて、重い登山靴をしかも大股に、朗らかな足どりでコンクリートを鳴らしている姿を見るであろう。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
主人しゆじんあやかりたいもとに、甘垂あまたるい金玉糖きんぎよくたう幾切いくきれ頬張ほゝばつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
主人は肖りたい名のもとに、甘垂あまたるい金玉糖きんぎょくとうを幾切か頬張ほおばった。これは酒も呑み、茶も呑み、飯も菓子も食えるようにできた、重宝で健康な男であった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
祖母に強求ねだる、一寸ちょっと渋る、首玉くびったまかじいて、ようようと二三度鼻声で甘垂あまたれる、と、もう祖母は海鼠なまこの様になって、およし——母の名だ——彼様あんなに言うもんだから、買って来てお遣りよ、という。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「万が一にも、大丈夫とは思うが、万一、こしものでも引き抜くと、この混雑の中で多数あまたな怪我人を出すから、充分に、気をつけい」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あまり一時に多数あまたの人を会合させるとかえって雑沓ざっとうするからそういう時は幾種いくしゅにも区別して先ず第一は会費二円の食道楽会を毎月一回開く。第二は一円の会費でこれも毎月開く。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
我、兄とつりばりを易へて、その鉤を失ひつ。ここにその鉤を乞へば、あまたの鉤を償へども、受けずて、なほその本の鉤を得むといふ。
ここに赤猪子「みことを仰ぎ待ちつる間に、已にあまたの年を經て、姿體かほかたちやさかかじけてあれば、更に恃むところなし。然れども待ちつる心を顯はしまをさずては、いぶせきにへじ」と思ひて、百取ももとり机代つくゑしろの物を持たしめて、まゐ出で獻りき。
と太い声して、ちと充血した大きなひとみをぎょろりと遣る。その風采ふうさい、高利を借りた覚えがあると、天窓あまたから水を浴びそうなが、思いの外、温厚な柔和な君子で。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あまはらふりさければ大王おほきみ御寿みいのちなが天足あまたらしたり 〔巻二・一四七〕 倭姫皇后
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
播磨風土記はりまふどき』の多可郡の条にも巨人が南海から北海に歩んだと伝えて、そのゆる迹処あとどころ数々あまた沼を成すと記してある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
もとより慣れぬ徒歩かちなれば、あまたたび或は里の子が落穗おちぼ拾はん畔路あぜみちにさすらひ、或は露に伏すうづらとこ草村くさむら立迷たちまようて、絲より細き蟲のに、覺束なき行末をかこてども、問ふに聲なき影ばかり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)