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数多
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あまた
ふりがな文庫
“
数多
(
あまた
)” の例文
旧字:
數多
あしたの天変地異を今夜の今知っている者は、あの出陣列に従って行った御家来衆も
数多
(
あまた
)
ながら、わしひとりしかなかったのである。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
肴屋
(
さかなや
)
、酒屋、雑貨店、その向うに寺の門やら
裏店
(
うらだな
)
の長屋やらが
連
(
つらな
)
って、
久堅町
(
ひさかたまち
)
の低い地には
数多
(
あまた
)
の工場の
煙筒
(
えんとつ
)
が黒い煙を
漲
(
みなぎ
)
らしていた。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ただ今の時勢人情にては、遠国へ渡海して
数多
(
あまた
)
の国々を検査し、
内
(
うち
)
善悪を
撰
(
えら
)
び開業に掛ることは、日本国の人情においていまだ
萌
(
きざ
)
さず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
これまで彼は
数多
(
あまた
)
の残虐な場面の中に突進した。しかし一度だって、恐ろしさのために躊躇をしたり厭な気持になったことはない。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
九州征伐の時、如水と仙石権兵衛は軍監で、今日の参謀総長といふところ、戦後には九州一ヶ国の大名になる約束で
数多
(
あまた
)
の武功をたてた。
黒田如水
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
こういうすべての事柄や、これに類した
数多
(
あまた
)
の事柄が、その親愛なる一千七百七十五年とそのすぐ前後に起っていたのであった。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
この山の
数多
(
あまた
)
の堂塔におわします諸菩薩のような人間が、世の中に生きて居るとしたら、どんなに端麗な、どんなに荘厳なものであろう。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
沙汰人
数多
(
あまた
)
出でける中に、
源内兵衛真弘
(
げんないひょうえさねひろ
)
と云う者、腹巻取って打ち懸け、長刀持ちて走り出でけるが、
佐殿
(
すけどの
)
を見奉り、馬の口に取り附き
花吹雪
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
上の中央公論に載せた初稿は
媒
(
なかだち
)
となつて、わたくしに
数多
(
あまた
)
の人を識らしめた。中には当時四郎左衛門と親善であつた人さへある。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しかしながら、
数多
(
あまた
)
の一時の形象の間で、一度触れ合ってたがいに認める魂と魂との接触は、けっして消え
失
(
う
)
せるものではない。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
通人は
頻
(
しき
)
りに
新参者
(
しんざんもの
)
を求めたりしに、
豈
(
あに
)
計
(
はか
)
らんや新参者は
数多
(
あまた
)
の列座中にあったので、それが分った時の通人の驚きは
一方
(
ひとかた
)
ならなかった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
数多
(
あまた
)
の人種が、混り、殖民化の歴史を持って居る国の女性としては当然な事でございますでしょう。が、先ず大体三つに分けて見ましょう。
C先生への手紙
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
八葉堂を中にした千隆寺の庭では、
数多
(
あまた
)
の坊主どもが、法衣を
剥
(
は
)
がれて、例の
捕吏
(
とりて
)
の手に縛り上げられて、ころがされている。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それどころか軍中央部の高級将校のなかには、進んで激励や賞讃の言葉を蹶起の青年将校たちに呈する者が
数多
(
あまた
)
いたのである。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
新聞紙の報ずるだけでも、彼は十指に余る人間の命を絶ち、多くの子女の貞操を
蹂躙
(
じゅうりん
)
し、
数多
(
あまた
)
の良民をして無念の涙に
咽
(
むせ
)
ばせて居るのでした。
ある抗議書
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
この際に当りて蕪村は句法の上に種々工夫を試みあるいは漢詩的に、あるいは古文的に、古人のいまだかつて作らざりし者を
数多
(
あまた
)
造り出せり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
砂浜はギラギラと光り、陸に海に
喜戯
(
きぎ
)
する
数多
(
あまた
)
の群衆は、晴々とした
初夏
(
はつなつ
)
の太陽を受けて、明るく、華やかに輝いて見えた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
護送役人の
下知
(
げじ
)
に従いまして、遠島の罪人一同上陸致しますると、図らずも
彼方
(
あなた
)
に当りパッパッと
砂煙
(
すなけむり
)
を
蹴立
(
けた
)
って
数多
(
あまた
)
の人が逃げて参ります。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また一ツは米国水兵
数多
(
あまた
)
車座
(
くるまざ
)
になりて日本料理の
膳
(
ぜん
)
に向ひ大きなる料理の
鯛
(
たい
)
を見て驚き騒げる様を描きしものあるを記憶す。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
帯に記したる所は、后が王の寵愛を受けし場所は王宮の花園にして、其処には
希臘
(
グレシア
)
の
男女
(
なんによ
)
の神体を
彫
(
きざ
)
める美しき大理石の立像
数多
(
あまた
)
有りし由に候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
たちまち
数多
(
あまた
)
の天使の集団の合唱が起こり、「いと高き処には栄光、神にあれ。地には平和、主の悦び給う人にあれ」との讃美が天地に
溢
(
あふ
)
れた。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
両者とも
数多
(
あまた
)
美術品は
蒐
(
あつ
)
めてみても、美の魂とかかわりなくつき合ってきた者というものは、真にみじめなもので、御殿山氏といい、青山翁といい
現代茶人批判
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
これ皆朝顔のおかげといたく愛して翌年の夏に至りけるに、去年の花より多くの種残りて、さりとは
数多
(
あまた
)
生ひ出で、蔓の頃はさぞかしと思ひやらる。
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
附添の
数多
(
あまた
)
の男女は、あるいは怒り、あるい
罵
(
ののし
)
り、あるいは呆れ、あるいは
呪詛
(
のろ
)
った。が、
狼狽
(
ろうばい
)
したのは一様である。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金眸が
髭
(
ひげ
)
の
塵
(
ちり
)
をはらひ、
阿諛
(
あゆ
)
を
逞
(
たく
)
ましうして、その威を仮り、
数多
(
あまた
)
の
獣類
(
けもの
)
を害せしこと、その罪
諏訪
(
すわ
)
の湖よりも深く、また
那須野
(
なすの
)
が
原
(
はら
)
よりも
大
(
おおい
)
なり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
あれからいったいどういう
流転
(
るてん
)
をへて、あんな橋の下に、小屋を張っているのだろうと、与吉のあたまは、
数多
(
あまた
)
の疑問符が乱れ飛んで、
飛白
(
かすり
)
のようだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
◎無惨の死骸 昨朝六時頃築地三丁目の川中にて発見したる年の頃三十四五歳と見受けらるゝ男の死骸は何者の
所為
(
しわざ
)
にや総身に
数多
(
あまた
)
の創傷、数多の
擦剥
(
すりむき
)
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
其処で彼は
数多
(
あまた
)
の紹介状を贋造して、多くの富豪の知己となり、それから彼は徐々に詐欺の方策を進めて行った。
錬金詐欺
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
奴隷たちをはじめ
数多
(
あまた
)
の金銀財宝家具家財を積んだ巨船を
艤
(
ぎ
)
して、
何処
(
いずく
)
へともなく羅馬を脱去してしまいました。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
けれども、チーヘンの『
忌怖
(
きふ
)
の心理』などを見ると、極度の忌怖感に駆られた際の生理現象として、それに関する
数多
(
あまた
)
の実験的研究が挙げられています。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
旅僧が
数多
(
あまた
)
の金を持っていることを知ったので、千代を利用してそれをまきあげようと思って、それを千代にいい含めたが、千代はてんで受けつけなかった。
風呂供養の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
すめらみの、おためとて、
備前
(
びぜん
)
岡山を始めとし、
数多
(
あまた
)
の国のますらおが、赤い心を墨で書き、国の重荷を背負いつつ、命は軽き
旅衣
(
たびごろも
)
、親や
妻子
(
つまこ
)
を振り捨てて。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
柿の木の下から背戸へ抜け
槇屏
(
まきべい
)
の裏門を出ると松林である。桃畑梨畑の間をゆくと僅の田がある。その先の松林の片隅に雑木の森があって
数多
(
あまた
)
の墓が見える。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
しかし、今から思ふと、いくら呑気な大正時代でも、あんな粗末な体裁のわるい
薄
(
うす
)
つ
片
(
ぺら
)
な雑誌が、
数多
(
あまた
)
の名のある雑誌がならんでゐる店頭で、目につく筈がない。
思ひ出すままに:「文藝春秋」と菊池と
(新字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
それは
山鹿素行
(
やまがそこう
)
の墓のある寺で、山門の手前に、旧幕時代の記念のように、古い
榎
(
えのき
)
が一本立っているのが、私の書斎の北の縁から
数多
(
あまた
)
の屋根を越してよく見えた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水中に
插入
(
そうにゅう
)
した
櫂
(
かい
)
の曲がって見える事は述べてあるが、屈折の方則らしいものは見いだされない。また
数多
(
あまた
)
の鏡による重複反射の事実にもともかくも触れてある。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
数多
(
あまた
)
の樹の枝やその他の材料をもって、臨時に大きな仮山を作り、前後に出入りの口を設け、内には
桟道
(
さんどう
)
を
懸渡
(
かけわた
)
して、志願ある者をしてその中を通り抜けさせた。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
銃弾や霰弾を受けていないものは一本としてない。枯木の
骸骨
(
がいこつ
)
が果樹園の中には
数多
(
あまた
)
ある。烏が枝の間を飛んでいる。その向こうは、すみれの咲き乱れた森である。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
このむらくも『らくだ』は得意の演題にて、この人のはむしろ後段におもしろき箇所、
数多
(
あまた
)
ありたり。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
とくに
数多
(
あまた
)
の先生に対しては単に教師と生徒の関係以上に深い尊敬と親しみをもっていた。校長は修身を受け持っているので、生徒は
中江藤樹
(
なかえとうじゅ
)
の
称
(
しょう
)
をたてまつった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
これらの倭人は統一なき
数多
(
あまた
)
の小国家に分れて、所謂百余国を為し、各自王と称して、漢と交通を開いたものであったが、中にも今の筑前博多地方にあった
奴国
(
ぬこく
)
の王は
国号の由来
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
美しき女を
数多
(
あまた
)
侍らせ、金殿玉楼に栄燿の夢を見つくさむ事、
偏
(
ひと
)
へにわが学問と武芸にこそよれ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
国々によりては、他国の方に細工奇麗にて価も安き品
数多
(
あまた
)
これあり候。国用より多く
出来
(
しゅったい
)
いたし候品は外国へ相渡し、その国になき産物は他邦より運び入れ候儀に御座候。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
二次会は
新中島
(
しんなかじま
)
という宏壮な家で有志の人たちだけで催された。
煌々
(
こうこう
)
たるシャンデリヤの下で、置酒交歓、感興成っていつ果つべくも見えない。土地の
美妓
(
びぎ
)
も
数多
(
あまた
)
見えた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
これその演説中
数多
(
あまた
)
如来正徧知
(
にょらいしょうへんち
)
に対してあるべからざる言辞を
弄
(
ろう
)
したるによって明らかである。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
竜巻
(
たつまき
)
だ、と思ううちにも、烈しい風は既に頭上をよぎろうとしていた。まわりの草木がことごとく
慄
(
ふる
)
え、と見ると、その儘引抜かれて空に
攫
(
さら
)
われて行く
数多
(
あまた
)
の樹木があった。
夏の花
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
彼の怒号の声はさしも広き法廷の外に響き渡って、何事ぞと
数多
(
あまた
)
の人々が駈けつけたと云う。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それは
数多
(
あまた
)
の歴史を経、多くの時代を通り、様々な変化をして、或は天才の発見に依り、或は名工の技に依つて長い/\時間の中に、洗練され磨き上げられて来たものである。
日本趣味映画
(新字旧仮名)
/
溝口健二
(著)
又台所の世帯万端、
固
(
もと
)
より女子の知る可き事なれば、仮令い下女下男
数多
(
あまた
)
召使う身分にても、飯の炊きようは勿論、料理献立、
塩噌
(
えんそ
)
の始末に至るまでも、事
細
(
こまか
)
に心得置く可し。
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
大きな雪の峰が重なり重なってちょうど
数多
(
あまた
)
の雪
達磨
(
だるま
)
が坐禅をして居るように見えるです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
数
常用漢字
小2
部首:⽁
13画
多
常用漢字
小2
部首:⼣
6画
“数”で始まる語句
数
数珠
数寄
数奇
数々
数寄屋橋
数寄屋
数寄者
数年
数万