“ほぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホボ
語句割合
62.6%
保姆11.6%
略々11.0%
略〻7.1%
1.9%
保母1.3%
褓母1.3%
媬母0.6%
略略0.6%
0.6%
粗々0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東京ことば、大阪、京都、伊勢、中國邊の方言の雜ぜ合せにドス、オマス、ナアなどといふ語尾を附けるとほぼ神戸の言葉に近くなる。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
学童を愛する点に於いては、学童たちの父母ちちははに及びもつかぬし、子供の遊び相手、として見ても、幼稚園の保姆ほぼにはるかに劣る。
春の枯葉 (新字新仮名) / 太宰治(著)
創傷は、顱頂骨と前頭骨の縫合部に孔けられている、円い鏨型の刺傷であって、それが非常なおでこであるために、頭顱の略々ほぼ円芯に当っていた。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
先頃銀行の方が不首尾になってから逼塞ひっそくしていたが、父親の成功が略〻ほぼ確定すると共に料簡は再び軌道を脱していた。
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
左内つらつら一五七夜もすがらの事をおもひて、かの句を案ずるに、百姓ひやくせい家にすの句、一五八ほぼ其のこころを得て、ふかくここに一五九しんおこす。まことに一六〇瑞草ずいさうの瑞あるかな。
反抗児ではないかとの心配があったが、保母ほぼさんがよかったせいか、大した動きはなかった。反面盲従派もうじゅうはとでもいうか、喜びもせず悲しみもせず、流れに従って流れるままである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
若者は民顕ミュンヘンの生れだが、フランクフルトに住んで、今年そこの大学を卒業したのである。これから三つばかり駅を行くと、そこの山上に孤児院がある。若者の姉はそこの褓母ほぼになっている。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そういって、メタルを媬母ほぼの手にあずけた。それから元気のない足どりでよろけながら、振りむきもしずにそこを立ち去った。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
少し海岸の単調に飽きて山の中が恋しくなり、地図を拡げて袋田の瀑が此処ここから略略ほぼ一日の行程であることを知ると、急に予定を変更して、其方に足を向けたのであった。
四十年前の袋田の瀑 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
あれがほぼこの間書いてお送りした謄写代のトータルほど(すこしすくないが)あって、それを役立てるから大丈夫です。なんだ、そんな、とお思いになるようなことはしません。
小次郎と武蔵の立合なんかより遥かに余裕あって勢源は勝った。従って十五六にして「粗々ほぼ技能有ぎのうあり」と伝えられている位、師に対抗出来た小次郎は立派な達人であったらしい。
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
雜談ざつだんの間に周三は、何かひツかゝりを作へては、お房の素性すじやう經歴けいれきとを探つた。そしてほぼ想像そう/\して見ることが出來るまでにぐり出した。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)