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保姆
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ほぼ
ふりがな文庫
“
保姆
(
ほぼ
)” の例文
もう三十五六であったろうが、なりふり構わず生徒のために献身するというたちで、教師というよりは
保姆
(
ほぼ
)
のような天性の人だ。
風と光と二十の私と
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
学童を愛する点に於いては、学童たちの
父母
(
ちちはは
)
に及びもつかぬし、子供の遊び相手、として見ても、幼稚園の
保姆
(
ほぼ
)
にはるかに劣る。
春の枯葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それから、
竜見川
(
たつみがわ
)
学園の
保姆
(
ほぼ
)
……それはまだしもで、私は
寄生木
(
やどりぎ
)
とまで
罵
(
ののし
)
られたのですわ。いいえ、私だっても、どんなに心苦しいことか……。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「あんた初めて? ぢや、ちよいとびつくりするわねえ」と
保姆
(
ほぼ
)
さんは案外なれなれしげな調子で言つて、またちらりと千恵の顔を見ました。——
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
門
(
もん
)
から
流
(
なが
)
れ
出
(
で
)
る
生徒
(
せいと
)
らを、
二人
(
ふたり
)
の
若
(
わか
)
い
保姆
(
ほぼ
)
が、たがいに十五、六
人
(
にん
)
ずつ
引
(
ひ
)
きつれて、いつものごとく、
道
(
みち
)
を
左右
(
さゆう
)
に、
途中
(
とちゅう
)
まで
見送
(
みおく
)
ったのであります。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
答『
産土
(
うぶすな
)
の
主宰神
(
しゅさいしん
)
は
悉
(
ことごと
)
く
男性
(
だんせい
)
に
限
(
かぎ
)
るようじゃ。しかし
幼児
(
ようじ
)
の
保姆
(
ほぼ
)
などにはよく
女性
(
じょせい
)
の
人霊
(
じんれい
)
が
使
(
つか
)
われるようで……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
女と子供との関係は、母子というよりは、
保姆
(
ほぼ
)
と幼児との間柄に近かった。一生夫をもたずに、子供を仕立てて行こうと誓った女の志は、ますます堅かった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
かくの如くして生れた子供は、育児院の
保姆
(
ほぼ
)
によって育てられ、他の子供のように田舎へは送られない。
人口論:02 第二篇 近代ヨオロッパ諸国における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
この家の他の人々——即ちジョンとその妻、
家婢
(
かひ
)
のリア、佛蘭西人の
保姆
(
ほぼ
)
のソフィ——等は
人柄
(
ひとがら
)
のいゝ人たちではあるが、併しこれと云つて面白い所もなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
一つには身勝手な嫂に対するあてこすりもあったが、加計町の方へ疎開した子供のことも気になり、一そのこと
保姆
(
ほぼ
)
となって
其処
(
そこ
)
へ行ってしまおうかとも思い惑った。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
砂場や辷り台で遊んでいる子供らを見張りながら、
保姆
(
ほぼ
)
たちがここでおしゃべりをする。
キャラコさん:10 馬と老人
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ゴムのお庭に水銀の池を湛えむばかり……出来る事ならイエス様を家庭教師にしてマリヤ様を
保姆
(
ほぼ
)
にしたい位だったそうで、あらん限りの手を尽して育てました甲斐がありましたものか
霊感!
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
白ずくめの若い
保姆
(
ほぼ
)
が乳母車を停めてやすんでいるのだ。
踊る地平線:03 黄と白の群像
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
保姆
(
ほぼ
)
に云はれて二人は泣きながらまた
黙頭
(
うなづ
)
いて居た。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
あとに警察の
保姆
(
ほぼ
)
がついている。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そろそろあの子が寝ぼけだす頃だと思つて、千恵は
保姆
(
ほぼ
)
さんと反対側の壁ぎはの椅子をはなれて、そつとその子のベットのそばへ寄つて行きました。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「ああ、わたしくたびれたわ。
先生
(
せんせい
)
、おんぶしてちょうだい。」と、
白
(
しろ
)
い
帽子
(
ぼうし
)
を
被
(
かむ
)
った、
一人
(
ひとり
)
の
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
が、お
姉
(
ねえ
)
さんにでもねだるように、
保姆
(
ほぼ
)
さんに、いいました。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
看護婦は再びノッブを廻して次の室へとあらはれる。かすかに揺れ動いた風の気配に、壁にもたれて
睡
(
やす
)
んでゐた若い
保姆
(
ほぼ
)
の一人が眼をさまして立ち上る。
水に沈むロメオとユリヤ
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
たとえ
小
(
ちい
)
さくても、
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
の
力
(
ちから
)
に
押
(
お
)
されて、
若
(
わか
)
い
保姆
(
ほぼ
)
は、
危
(
あや
)
うく
前
(
まえ
)
のめりになろうとしました。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これは心身ともに病みつかれた彼の後半生にとって、母とも姉とも、また
保姆
(
ほぼ
)
ともなった女性である。彼はまた官途について、ここにつかのまの平安が訪れることになった。
「あかい花 他四篇」あとがき
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
「
先生
(
せんせい
)
、
私
(
わたし
)
、
保姆
(
ほぼ
)
さんになりたいと
思
(
おも
)
いますの。」と、
一人
(
ひとり
)
の
娘
(
むすめ
)
が、いいました。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
保姆
(
ほぼ
)
はいきなり幼児を抱きかかへた。鉄柵を越えて幼児の肉体が宙に浮く。保姆は扉から急ぎ足で庭へ出る。幼児は一きは高く泣いて間もなく黙る。秋の微風と星光が保姆にたのしい。
水に沈むロメオとユリヤ
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「
西村
(
にしむら
)
さんは、やさしいから、きっといい
保姆
(
ほぼ
)
さんになれると
思
(
おも
)
いますわ。」
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いつのまにか立つてゐるのに
暫
(
しばら
)
くしてから気がついて、思はずぞつとしたのです。幸ひその晩は古参の
保姆
(
ほぼ
)
さんがまだ残つてゐて、その子の癖や扱ひ方などを千恵に教へてくれました。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
“保姆”の意味
《名詞》
保姆(ほぼ 「保母」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
保育所や養護施設で保育に従事する女子職員。
(出典:Wiktionary)
保
常用漢字
小5
部首:⼈
9画
姆
漢検1級
部首:⼥
8画
“保”で始まる語句
保
保護
保存
保養
保元
保羅
保証
保吉
保護者
保證