四十年前の袋田の瀑しじゅうねんまえのふくろだのたき
勿来関趾をたずね、鵜子岬に遊び、日和山に登って、漁船に賑う平潟の港内や、暮れ行く太平洋の怒濤を飽かず眺めた後、湾に臨んだ宿屋の楼上に一夜を明かして、翌日仙台からはるばると辿って来た海岸を離れ、小雨そぼふる中を棚倉道に沿うて歩き出した。袋田の …