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搖
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ゆる
ふりがな文庫
“
搖
(
ゆる
)” の例文
新字:
揺
それが
却
(
かへつ
)
て未だ曾て耳にした
例
(
ためし
)
のない美しい樂音を響かせて、その音調の
文
(
あや
)
は春の野に立つ
遊絲
(
かげろふ
)
の微かな影を心の空に
搖
(
ゆる
)
がすのである。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
天女
(
てんによ
)
御空
(
みそら
)
に
舞
(
ま
)
ふが
如
(
ごと
)
き
美音
(
びおん
)
は、
心
(
こゝろ
)
なき
壇上
(
だんじやう
)
の
花
(
はな
)
さへ
葉
(
は
)
さへ
搖
(
ゆる
)
ぐばかりで、
滿塲
(
まんじやう
)
はあつと
言
(
い
)
つたまゝ
水
(
みづ
)
を
打
(
う
)
つた
樣
(
やう
)
に
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私
(
わたし
)
は
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
つて、
折
(
をり
)
から
運
(
はこ
)
ばれて
來
(
き
)
た
金盥
(
かなだらひ
)
のあたゝな
湯氣
(
ゆげ
)
の
中
(
なか
)
に、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
から
搖
(
ゆる
)
ぎ
落
(
お
)
ちたやうな
涙
(
なみだ
)
を
靜
(
しづ
)
かに
落
(
おと
)
したのであつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
杉
(
すぎ
)
の
大木
(
たいぼく
)
は
西
(
にし
)
へ
倒
(
たふ
)
したのでづしんとそこらを
恐
(
おそ
)
ろしく
搖
(
ゆる
)
がしてお
品
(
しな
)
の
庭
(
には
)
へ
横
(
よこ
)
たはつた。
枝
(
えだ
)
は
挫
(
くぢ
)
けて
其
(
その
)
先
(
さき
)
が
庭
(
には
)
の
土
(
つち
)
をさくつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
然
(
され
)
ど汝若し知らば我等に告げよ、山今かの如く
搖
(
ゆる
)
げるは何故ぞや、またその
濡
(
ぬ
)
るゝ据に至るまで衆
齊
(
ひと
)
しく叫ぶと見えしは何故ぞや。 三四—三六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
たゞ
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
くが、その
搖
(
ゆる
)
る
篝火
(
かゞりび
)
の
如
(
ごと
)
き、
大紅玉
(
だいこうぎよく
)
を
抱
(
いだ
)
いた
彼
(
か
)
のをんなは、
四時
(
しじ
)
ともに
殺生禁斷
(
せつしやうきんだん
)
のはずである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言ひつゝ瀧口が顏、
竊
(
ぬす
)
むが如く見上ぐれば、默然として眼を閉ぢしまゝ、衣の袖の
搖
(
ゆる
)
ぎも見せず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
その小さな木造の建物を
搖
(
ゆる
)
がす深い唸りは、オルガンの音ではなくて、製粉機の響きであつた。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
凾嶺全山を
搖
(
ゆる
)
がすほどの聲がして、ガラツ八の八五郎、
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛んで來たのです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
荒野
(
あれの
)
の吐息
雜
(
まじ
)
り、夕されば風
戰
(
そよ
)
ぐ
高木
(
かうぼく
)
の
搖
(
ゆる
)
ぎも加はるその
聲
(
こゑ
)
よりも繁きは
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
愛
(
あい
)
ちやんはそれが
自分
(
じぶん
)
を
見
(
み
)
に
來
(
き
)
た
兎
(
うさぎ
)
だと
知
(
し
)
つて、
屋
(
おく
)
をも
搖
(
ゆる
)
がさんばかりにガタ/\
慄
(
ふる
)
へ
上
(
あが
)
りました、
自分
(
じぶん
)
は
兎
(
うさぎ
)
よりも
殆
(
ほと
)
んど
千倍
(
せんばい
)
も
今
(
いま
)
大
(
おほ
)
きくなつて
居
(
ゐ
)
るのだから
何
(
なに
)
も
怖
(
おそ
)
れる
理由
(
わけ
)
はないのですが
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
是に於てか淑女等は輪のほとりに歸り、グリフォネはその羽の一をも
搖
(
ゆる
)
がさずしてたふとき荷をうごかし 二五—二七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
二階
(
にかい
)
に
稍
(
や
)
や
體裁
(
ていさい
)
よき
三個
(
みつつ
)
の
室
(
へや
)
、
其
(
その
)
一室
(
ひとま
)
の
窓
(
まど
)
に、
白
(
しろ
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
が
風
(
かぜ
)
に
搖
(
ゆる
)
いで
居
(
を
)
る
所
(
ところ
)
は、
確
(
たしか
)
に
大佐
(
たいさ
)
の
居間
(
ゐま
)
と
思
(
おも
)
はるゝ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今まで眼を閉ぢて
默然
(
もくねん
)
たりし瀧口は、やうやく
首
(
かうべ
)
を
擡
(
もた
)
げて父が顏を見上げしが、兩眼は
潤
(
うるほ
)
ひて無限の情を
湛
(
たゝ
)
へ、滿面に顯せる悲哀の
裡
(
うち
)
に
搖
(
ゆる
)
がぬ決心を示し、
徐
(
おもむ
)
ろに兩手をつきて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
その林右衞門が死んで、後には何萬兩といふ身上が殘つたが、番頭の七兵衞といふのが
強
(
したゝ
)
か者で、世間から惡七兵衞とか何んとか言はれながら、貧乏
搖
(
ゆる
)
ぎもさせずに商賣を續けてゐる——
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ふと
明
(
あ
)
いた
窓
(
まど
)
へ
横向
(
よこむ
)
きに
成
(
な
)
つて、ほつれ
毛
(
げ
)
を
白々
(
しろ/″\
)
とした
指
(
ゆび
)
で
掻
(
か
)
くと、あの
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
が
強
(
つよ
)
く
薫
(
かを
)
つた、と
思
(
おも
)
ふと
緑
(
みどり
)
の
黒髮
(
くろかみ
)
に、
同
(
おな
)
じ
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
の
小枝
(
こえだ
)
を
活
(
い
)
きたる
蕚
(
うてな
)
、
湧立
(
わきた
)
つ
蕊
(
しべ
)
を
搖
(
ゆる
)
がして、
鬢
(
びんづら
)
に
插
(
さ
)
して
居
(
ゐ
)
たのである。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
是に於て魂足をこと/″\く
搖
(
ゆる
)
がせ、さて歎きつゝ聲憂はしく我にいふ、さらば我に何を求むるや 六四—六六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
今宵
(
こよひ
)
もおなじ
樣
(
やう
)
に、
白
(
しろ
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
の
搖
(
ゆる
)
ぐほとりに
倚子
(
ゐす
)
を
並
(
なら
)
べた
時
(
とき
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
稍
(
や
)
や
眞面目
(
まじめ
)
に
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
つて。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
我につきて來れ、
斯民
(
このたみ
)
をその言ふに
任
(
まか
)
せよ、風吹くとも
頂
(
いただき
)
搖
(
ゆる
)
がざるつよき
櫓
(
やぐら
)
の如く立つべし 一三—一五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
搖
部首:⼿
13画
“搖”を含む語句
動搖
搖曳
搖動
搖籃
搖上
一搖
小搖
貧乏搖
搖起
搖落
搖蕩
大搖
胴搖
羽搖
盪搖
横搖
搖醒
搖返
大搖籃
搖藍
...