新しき声あたらしきこえ
同時代に生れ出た詩集の、一は盛へ他は忘れ去られた。「若菜集」と「抒情詩」。「若菜集」は忽ちにして版を重ねたが、「抒情詩」は花の如く開いて音もなく落ちて了つた。 島崎氏の「若菜集」がいかに若々しい姿のうちに烈しい情※をこめてゐたかは、今更ここ …