“踟蹰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちちゅう45.5%
ちちゆ9.1%
ちちう9.1%
ちちゅ9.1%
ちちゆう9.1%
ちゝう9.1%
もじもじ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金は無論しい。脅嚇おどかしも勿論く。二十万坪の内八万坪、五十三名の地主の内十九名は、売渡うりわたし承諾しょうだく契約書けいやくしょに調印してしまった。踟蹰ちちゅうする者もあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
低徊踟蹰ちちゆの思は去りて、余は彼を抱き、彼の頭は我肩に倚りて、彼が喜びの涙ははら/\と肩の上に落ちぬ。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
外套をばこゝにて脱ぎ、わたどのをつたひて室の前まで往きしが、余は少し踟蹰ちちうしたり。同じく大学に在りし日に、余が品行の方正なるを激賞したる相沢が、けふはいかなる面もちして出迎ふらん。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
母は武男が常によく孝にして、わが意を迎うるに踟蹰ちちゅせざるを知りぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
作者之が為に踟蹰ちちゆうし、演者之が為に顧眄こべんせば、大なる劇詩は不幸にして望むべからざるに至らんか。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
こゝには神も人にまじはつて人間の姿人間の情をよそほつた。されば流れ出づる感情は往く處に往き、とゞまる處に止りて毫も狐疑こぎ踟蹰ちゝうの態を學ばなかつた。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
と私のかお瞻上みあげた。ええとか、何とかいって踟蹰もじもじしている私の姿を、雪江さんはジロジロ視ていたが
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)