踟蹰ちちゆ)” の例文
低徊踟蹰ちちゆの思は去りて、余は彼を抱き、彼の頭は我肩に倚りて、彼が喜びの涙ははら/\と肩の上に落ちぬ。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
外套をばこゝにて脱ぎ、わたどのをつたひて室の前まで往きしが、余は少し踟蹰ちちゆしたり。同じく大學に在りし日に、余が品行の方正なるを激賞したる相澤が、けふはいかなる面もちして出迎ふらん。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)