“売渡”のいろいろな読み方と例文
旧字:賣渡
読み方割合
うりわた60.0%
うりわたし40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、早百合姫に附添つきそっていた家来の男女は、薄情はくじょうなもので、両人しめし合せ、館も人手に売渡うりわたし、金目のものは残らずさらってどこかへ逃亡とうぼうしてしまいました。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そうだ、C・C・D潜水艦もぶん取ったし、春田龍介という小僧も生捕いけどったから、いよいよ骸骨島へ引上げて、潜水艦は外国の海軍に売渡うりわたし、龍介の小僧はヤンセンの仇を
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
金は無論しい。脅嚇おどかしも勿論く。二十万坪の内八万坪、五十三名の地主の内十九名は、売渡うりわたし承諾しょうだく契約書けいやくしょに調印してしまった。踟蹰ちちゅうする者もあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
周禎はひどく迷惑らしい答をしたが、後に渋りながらも承諾した。想うに上原は周禎を矢島氏の嗣となすに当って、株の売渡うりわたしのような形式を用いたのであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)