“売女”のいろいろな読み方と例文
旧字:賣女
読み方割合
ばいた70.6%
ばいじょ20.6%
おんな2.9%
じごく1.5%
やまねこ1.5%
くろうと1.5%
ばいぢよ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから自分はもう取り返しのつかない淪落の女だ売女ばいただと思いながら夜更けの道を帰って来たことも、話してしまおうかと思った。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
菊地半九郎は売女ばいじょにうつつをぬかして大小を手放したとただ一口ひとくちにいわれては、武士の面目にもかかわる。支配頭への聞えもある。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そう思うと、売女おんなにたった十五円ばかりのコートの表を一反買ってやるにしても、お前に対して済まないことをするようで気がとがめたけれど、また
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
今あなたが大胆にも『売女じごく』呼ばわりをなされた、あの女ほど、高尚で潔白な——いいですか、潔白なと言っているんですよ——婦人は
冗談じょうだんじゃねえ、いくらおまえさんのいたにしたって、こいつがわかってたまるもんか。ことわっとくが、当時とうじ十六もん売女やまねこなんざ、いにきゃァしねえよ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
誰が売女くろうとに好かれるか、それは知らないけれどもだよ。——塾の中に一人、自ら、新派の伊井蓉峰ようほうに「似てるです。」と云って、あごを撫でる色白な鼻の突出た男がいる。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
無暗に豪傑振つて女を軽蔑したがるくせに高が売女ばいぢよの一びん一笑に喜憂して鼻の下を伸ばす先生方は、何方どつちかといふと却て女の翫弄物ぐわんろうぶつだ子。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)