“じごく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
地獄64.4%
淫売8.5%
私窩子6.8%
私娼5.1%
淫売婦3.4%
売女1.7%
冥府1.7%
地府1.7%
売淫1.7%
淫売女1.7%
私窠子1.7%
醜業婦1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「うう、こわいこわい。おれは地獄じごく行きのマラソンをやったのだ。うう、切ない。」といいながらとうとうげて死んでしまいました。
蜘蛛となめくじと狸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大次郎は悪い家へ這入ったので、こゝの家の表看板は料理屋ですが内実は淫売屋じごくやでした。江戸時代に夜鷹は黙許されていましたが、淫売じごくはやかましい。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
魚頭をつぎ、鱗をふく(宗八の言にありますね。)私窩子じごくでもやってるのじゃないか、と思った。風丰ようすがまた似ていました。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お吉も自分が私娼じごくであり、悪侍臼杵九十郎の、妾であったということなど、明かす苦痛に堪えられなかった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
マア、呆れたよ。すると、お前さんのような人間が、ほんとうの淫売婦じごくなんだね。お金を持っていて、どうやら暮してゆけるくせに、それでいて、男を
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
今あなたが大胆にも『売女じごく』呼ばわりをなされた、あの女ほど、高尚で潔白な——いいですか、潔白なと言っているんですよ——婦人は
つまりおまえさんの許婚でさえ、あの『売女じごく』の靴の裏ほどの値打ちもないと、自分で考えたわけだね。
「わしが死んだ後に、家内の者が仏事をやって、しこたま紙銭しせんを焚いたので、冥府じごくの役人が感心して、それで送り還してくれたのだよ」
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
地府じごくから命を受けて、その方を逮捕にまいった」
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
わたくしも元は清水と申して、上州前橋で御用達ごようたしをいたしました者の娘、如何いか零落おちぶ裏店うらだなに入っていましても、人に身を任せて売淫じごく同様な真似をして、お金を取るのは
親爺はただ夢を見ているだけで、あの淫売女じごくはけっしてやって来やしないんだ、あの女が来もしないのに、なんのために兄貴が親爺の所へあばれこむんだ
あらゆる年齢の私窠子じごく、——表面はパロス島の大理石で内部は汚物でみたされているかのリューシアンの彫像を思わせるような、女盛りの正真正銘の美人——ぼろを着た、胸の悪くなるような
群集の人 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
「またそこに一人いるのか! 静かにしろ、醜業婦じごくめ! 徒刑囚が役人になったり、淫売婦が貴族の取り扱いを受けたり、何という所だ! だがこれからはそうはいかないぞ。もう時がきたんだ。」