私娼じごく)” の例文
今こそ私娼じごくでおちぶれてはいるが、昔は吉原の花魁おいらんだ、腐っても鯛、上玉だ。こいつを今夜から締めることが出来る。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お吉も自分が私娼じごくであり、悪侍臼杵九十郎の、妾であったということなど、明かす苦痛に堪えられなかった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
里見家の旧家臣里見一刀(今は桑名の網元の水夫かこ)、吉田家の浪人仙石定邦(今は車町の私娼じごく宿の主人あるじ
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ああそれではあの私娼じごくか!」山県紋也は思い出した。いかさまそういう女があった。が、紋也には合点がいかなかった。年齢としとそうして風貌との相違が、著るしいがためであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(悪い女ではなかったっけ。……俺には随分つくしてくれたものだ。……私娼じごくにまでも身を落として。……それだのに俺は愛想づかしをいって。……帰って来てくれ! お吉お吉!)
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし、その女は三十五、六で、風采なりもいやらしく容貌も醜く、態度もすさんで淫蕩いんとうで、あなたとは似ても似つかないような、そういう女でありましたよ。たしか私娼じごくでありましたはずで
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「数あるあなたの商売の中には私娼じごくという商売もありますので」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)