私窩子じごく)” の例文
使ひ彼女自身も赤い肩巻に格子縞の Basque といふ私窩子じごく型通りの服装をして彼女の唄の内容を芝居がゝりで補つたものだが
ダミア (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
魚頭をつぎ、鱗をふく(宗八の言にありますね。)私窩子じごくでもやってるのじゃないか、と思った。風丰ようすがまた似ていました。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「よけいなお世話だ。つらを見るのもムカつくわ。すべた、私窩子じごく、消えて失せろ。この部屋に寝るのはゆるさん」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
使い彼女自身も赤い肩巻に格子縞の Basque という私窩子じごく型通りの服装をして彼女の唄の内容を芝居がかりで補ったものだが
巴里の唄うたい (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私窩子じごくのやるせない憂さ晴しである。あざれた恋の火傷の痕である。死と戯れの凄惨である。暗い場末の横町がそこに哀しくなすり出される。燐花のように無気味な青い瓦斯の洩れ灯が投げられる。
巴里の唄うたい (新字新仮名) / 岡本かの子(著)