“よみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨミ
語句割合
30.1%
黄泉18.7%
10.8%
冥府9.0%
6.0%
陰府5.4%
冥途3.6%
夜見3.0%
2.4%
地獄2.4%
1.8%
1.8%
1.2%
予美0.6%
冥路0.6%
0.6%
0.6%
嘉納0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ウム、御仏みほとけも、おれたちの奉仕をよみしてくださるだろう。——同時に、おれたちの生活も、今は、感謝と輝きに充ちきったものだ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
静かに線路に下り立った彼は、身をかがめてレールに耳を当てた。遠い黄泉よみの国からかでもあるように、不思議な濁音が響いて来る。
自殺を買う話 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
(二百四五十帋の自筆なり)かつて梱外こんぐわいいださゞりしを、狂哥堂真顔翁珎書ちんしよなれば懇望こんまうしてかの家より借りたる時亡兄ばうけいとともによみしことありき。
ばらしたぞといったことは、むしろ父がまだ生きている実証のようにさえ思えて、冥府よみのような冷たい闇へ飛びこむと一緒に
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
並背なみぜいにていが栗の頭髮つむりも思ひなしか俗とは變りて、藤本信如ふぢもとのぶゆきよみにてすませど、何處やらしやくといひたげの素振なり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その結果我々ははげしき痙攣けいれん苦痛なくして救われたが、イエスの身は呪いとなって、一たび陰府よみの底深く沈み給うたのです。
ときまえには、佐久間大学、飯尾近江。今はまた、佐々、岩室、千秋なんど、信長の先駆けして、冥途よみの前触れに立ったるぞ。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故大町桂月君が「大天橋」と呼んだといふ夜見よみヶ濱から遠く伯耆の大山へかけての眺望であつたらうが、私はむしろその傾斜から見おろした美保の關の港の眺めを取る。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
其處そこぼく昨日きのふチエホフの『ブラツクモンク』をよみさしておもはずボズさんのことかんがし、その以前いぜん二人ふたり溪流たにがは奧深おくふかさかのぼつて「やまめ」をつたことなど
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
奈何いかんせん寒微かんびより起りて、古人の博智無く、善をよみし悪をにくむこと及ばざること多し。今年七十有一、筋力衰微し、朝夕危懼きくす、はかるに終らざることを恐るのみ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
... へてつもりしこしみづうみ五月雨山さみだれやまの森のしづくか」▲柿崎かきざき(頸城郡にある駅也) 親鸞聖人しんらんしやうにんよみ玉ひしとて口碑こうひつたへし哥に「柿崎にしぶ/\宿やどをもとめしにあるじの心じゆくしなりけり」あんずるに
「無のうちか、有の中か、玻璃ハリびんの中か」とウィリアムがよみがえれる人の様に答える。彼の眼はまだ盾を離れぬ。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かならずかのきたな予美よみの国にくことなれば、世の中に死ぬるほどかなしきことはなきものなり。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
いくたびも惑ひを悔いてわび申すわが罪ゆるせ冥路よみの父母
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
ちゞみの糸四十すぢ一升ひとよみといふ。上々のちゞみは経糸たていと二十よみより二十三よみにもいたる。但しをさには二すぢづゝとほすゆゑ、一升の糸は八十すぢ也。布幅ぬのはゞ四方に緯糸よこいともこれにしたがふてあはせざれば地をなさず。
孫臏そんびん(二〇)刑徒けいともつひそかせい使つかひく。せい使つかひもつし、ひそかせてともせいく。せいしやう田忌でんき(二一)よみしてこれ(二二)客待かくたいす。數〻しばしばせい諸公子しよこうし(二三)驅逐重射くちくちようせきす。
姦淫かんいんするなかれ、処女を侵す勿れ、あによめを盗む勿れ、その他一切の不徳はエホバの神のいましむるところである。バイロンの一生は到底神の嘉納よみするものとも思われない。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼の耳にささやかれた夫人の言葉が、甘いみつのような言葉が、一つ/\記憶のうちよみがえって来た。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)