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ふりがな文庫
“
嘉
(
よみ
)” の例文
熱心は敬服すべきである。精神は
嘉
(
よみ
)
すべきである。その善意的なるもまた多とすべきである。あるにもかかわらず学生は迷惑である。
作物の批評
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ウム、
御仏
(
みほとけ
)
も、おれたちの奉仕を
嘉
(
よみ
)
してくださるだろう。——同時に、おれたちの生活も、今は、感謝と輝きに充ちきったものだ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西は玄白の熱心を
嘉
(
よみ
)
するように、二、三度頷いた。が、彼の与えた答は、否定的だった。彼は、西海の人に特有な快活な調子で答えた。
蘭学事始
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
然樣
(
さう
)
いふ貴い努力が積累ねらるればこそ世が進歩するのであるから、實に世間全體に取つても甚だ尚ぶべく
嘉
(
よみ
)
す可き事なのである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
人生に悩みながら
繊
(
ほそ
)
い腕に悪戦苦闘して、切抜け切抜けしてゆく殊勝さを見ると、涙ぐましいほどにその勇気を
讃
(
たた
)
え
嘉
(
よみ
)
したく思う。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
いざ願はくは彼の來れるを
嘉
(
よみ
)
せ、彼往きて自由を求む、そもこのもののいと
貴
(
たふと
)
きはそがために
命
(
いのち
)
をも惜しまぬもののしるごとし 七〇—七二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
神様、私共は、貴方の前に二人のよき、神の
嘉
(
よみ
)
し給う子として、若し与えられたものがあるなら、それを以て己らを貫く事に致しましょう。
日記:06 一九二〇年(大正九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
唐国に使いして多くの文書宝物を得て帰った
吉士長丹
(
きしのちょうたん
)
の労を
嘉
(
よみ
)
して位を
陞
(
のぼ
)
し、
封
(
ほう
)
二百
戸
(
こ
)
を給し、
呉氏
(
くれうじ
)
の姓を賜わった如きは、唐国をクレと称し
国号の由来
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
嘉
(
よみ
)
せられて、下したまえる天佑というものだ。おい杉田、貴様が意外に元気で、こんなに泳げるというのも天佑の一つだぞ
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
古人は事に臨んで
濫
(
みだり
)
に情を
恣
(
ほしいまま
)
にせざる事を以て
嘉
(
よみ
)
すべきものとなした。喜怒哀楽の情を軽々しく面に現さないのを
最
(
もっとも
)
修養せられた人格となした。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
実に幸なことには、新古今時代の歌人たちの努力を、若き後鳥羽院は
嘉
(
よみ
)
し
給
(
たも
)
うた。このようなことは、近世この方殆どなくなってしまったのである。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
餓鬼大将としても頗る殊勝な
嘉
(
よみ
)
すべき餓鬼大将である。卑しい職工の息子ではあるけれど、或は斯う云う少年が将来ほんとうの英傑となるのかも測り難い。
小さな王国
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
マリヤはその心の
溢
(
あふ
)
れ湧きて、その
謹
(
つゝし
)
みを受け入れ給ひし嬉しさに叫びし
其
(
その
)
聲と同じやうに
嘉
(
よみ
)
し給ふ。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
思ふに天主もごへんの信心を深う
嘉
(
よみ
)
させ給ふと見えたれば、万一
勤行
(
ごんぎやう
)
に
懈怠
(
けたい
)
あるまじいに於ては、
必定
(
ひつぢやう
)
遠からず御主『えす・きりしと』の御尊体をも拝み奉らうずる。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然し私は、叔父の不在が私のある種の計画に願つてもない好条件を生むことになるので、いささか
嘉
(
よみ
)
すべき道義的な想念の萌芽を文句なしにもみつぶしてしまつたのだ。
狼園
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
もたらした
陳歩楽
(
ちんほらく
)
だけは(彼は吉報の使者として
嘉
(
よみ
)
せられ
郎
(
ろう
)
となってそのまま都に
留
(
とど
)
まっていた)
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
つまりこれは、カリーの女神の
嘉
(
よみ
)
し給わなかったことでしょうか。それからも、ミス・ヘミングウェーは相変らずの態度で、おお
機会
(
チャンス
)
と、叫ばせられたのも何度かありました。
一週一夜物語
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
若夫
(
もしそれ
)
斬奸之徒は、其情を
嘉
(
よみ
)
し、其実を
不論
(
あげつらはず
)
、其実を推し、其名を
不問
(
とはず
)
、
速
(
すみやか
)
に
放赦
(
はうしや
)
せられよ。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
讃嘆すべきことには、仏は審判者ではなかったのである。あるものを
嘉
(
よみ
)
しあるものを罰するのではない。彼は大悲なのである。何ものをも彼の慈悲で迎え取ってしまうのである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
悪魔が二人、額をよせてニヤニヤ笑いながら、お互の悪だくみの深さを
嘉
(
よみ
)
し合う、あれね。そういう意味で、もっとお互の心の中をさらけ出したいのよ。あなたの云う露出狂だわね
断崖
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
朝夕
(
あけくれ
)
黄金丸が傍に
傅
(
かしず
)
きて、何くれとなく
忠実
(
まめやか
)
に働くにぞ、黄金丸もその
厚意
(
こころ
)
を
嘉
(
よみ
)
し、
情
(
なさけ
)
を
掛
(
かけ
)
て使ひけるが、もとこの阿駒といふ鼠は、去る
香具師
(
こうぐし
)
に飼はれて、
種々
(
さまざま
)
の芸を仕込まれ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
ある程度まで内向的を重んずる樣になつたのは
嘉
(
よみ
)
すべしだが、何等の能力もない死物もしくは虚無(といふ抽象物)に逆襲的壓迫力があるかの如く見なす思想が盛んになつたのは
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
その多いのが必ずしも悪いとわが輩は言わぬ。
己
(
おの
)
れを捨てて社会の利益を
図
(
はか
)
るの望ましきことはいうまでもない。
事
(
こと
)
を
為
(
な
)
すに
国家観念
(
こっかかんねん
)
より
打算
(
ださん
)
するもはなはだ
嘉
(
よみ
)
すべきことである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
天を敬うのもまた道徳の立場においてである。天を敬いさえすれば福を得る、というのではなく、道に
協
(
かな
)
いさえすれば天に
嘉
(
よみ
)
される、というのである。ここに思想史上の革新がある。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
ダメス王の鼻が、この使命を最もよく発揮して、ここに人類界最高の記録を破り得た事を
嘉
(
よみ
)
する。さらにその死後に於ける裁判に於ても、この本領を空前絶後にまで発揮し得た事を嘉する。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
皇室ではそれを
嘉
(
よみ
)
せられ、召し上げられて飽衣美食でもてなしました。長寿者はたちまち死にました。粗食故に長寿していた生命が、美食に遇ってたちまち破損してしまったのだそうです。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その臣従を
嘉
(
よみ
)
し、鳥の功を賞して、この詔とともに
大仁
(
だいにん
)
の位を賜わり、また
近江
(
おうみ
)
国坂田郡の水田二十町を下された。鳥はその田を私せず、天皇のために更に金剛寺を建立したと伝えられている。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
戦ひに死して
背
(
はい
)
を敵に向けず、其勇は実に
嘉
(
よみ
)
すべし。然れども戦ふ為に
産
(
うま
)
れ、戦ふ為に
仆
(
たふ
)
る可きは、夫れ仏国か。一大魔ありて人間界を支配するとせば、彼は仏国を以て一闘犬となしつゝあるなり。
想断々(2)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「あなたの懺悔は神に達した。神は
嘉
(
よみ
)
し給うた。アーメン」
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
我が歌をよしと
嘉
(
よみ
)
してたまひたる陸軍大将の太刀ぞこの太刀
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
彼等は罪を犯せるにあらず、
嘉
(
よみ
)
すべきことはありとも汝がいだく信仰の一部なる
洗禮
(
バッテスモ
)
をうけざるが故になほたらず 三四—三六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「
倉廩
(
そうりん
)
を封じて、
兵燹
(
へいせん
)
から救われたことは、まさに天道の
嘉
(
よみ
)
すところである。曹操は、そのお志に対し、足下を鎮南将軍に封じるであろう」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に両性の清らかな愛による互いの選択と、その神の
嘉
(
よみ
)
し給う結合の形としての結婚を主張した。
人間の結婚:結婚のモラル
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
院が良経と俊成・定家との一群の新傾向を
嘉
(
よみ
)
されたところに、『新古今』の大体の特色の生れるもとがあったが、一首一首を錦繍のように豪奢で
絢爛
(
けんらん
)
な歌ばかりで
揃
(
そろ
)
えられたのは
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
その目的は実に
嘉
(
よみ
)
すべきであるが、同じく青年の会合でも、三、四十年前に行われたるものは、若い衆の寄合いと称して、若い衆といえば
碌
(
ろく
)
でもないことをする者、思想も理想もなく
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「さあ、わたくしは皆さんと違ってまだチョンガーなんだから、天帝もわたくしの日頃の罪汚れなき生活を
嘉
(
よみ
)
したまい、きっと素晴らしい景品を恵みたまうから、今に見ててごらんなさい」
軍用鼠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
我今彼らの芸術を品評せず唯その意気を
嘉
(
よみ
)
しその労を思ひその勇に感ず。
一夕
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其の意氣は愛す可きも、其の中正を失へるは
嘉
(
よみ
)
す可からざる事である。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
春晝
(
しゆんちう
)
の靜けきまゝに
暫
(
しまら
)
くは狸の
面
(
つら
)
の澁きを
嘉
(
よみ
)
す
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
と、遠い以前の事どもを追想しかたがた、孫権の態度も神妙なりと
嘉
(
よみ
)
して、群臣と共に使者を引いて、関羽の首を実検した。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次の焔はグラツィアーンの笑ひより出づ、彼は天堂において
嘉
(
よみ
)
せらるゝほど二の法廷を助けし者なり 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
我
(
が
)
ではない。一点私心のない何ものかがそれを
嘉
(
よみ
)
しない恥かしさ、苦しさ、を覚えるのだ。
日記:09 一九二三年(大正十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
また日本の政治を改善したいと思うまでは理想として
嘉
(
よみ
)
すべきであるが、これを行うには大臣にならねばならぬことはない。理想を実現するにある位地をむさぼるのはいまだ真の理想とは思われぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
旁〻
(
かたがた
)
、どうかと思っていた質子を、かく早速伴って来た誠意に対しても、官兵衛の二心なきことを再認識して、大いに
嘉
(
よみ
)
している風も
窺
(
うかが
)
われる。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分の
強
(
し
)
いた難題もすべて高氏が素直にうけ入れたことを多として、大いに
嘉
(
よみ
)
しているのであろう。そのうえ高氏から約束の誓書をも差出したので
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄徳の父母祖先の
墳墓
(
つか
)
は、すべて
涿郡
(
たくぐん
)
にあるので、母公は、婿の孝心を
嘉
(
よみ
)
し、それに従うのはまた、妻の道であると、機嫌よく
夫婦
(
ふたり
)
を出してやった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の精兵は、たちまち、地方の
鼠賊
(
そぞく
)
を
掃滅
(
そうめつ
)
してしまった。朝廷は、彼の功を
嘉
(
よみ
)
し、新たに、「
鎮東将軍
(
ちんとうしょうぐん
)
」に叙した。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世に乱なかれと、民のために祈られてこそ
帝
(
みかど
)
ですのに、
九五
(
きゅうご
)
の
尊
(
そん
)
をもって、若公卿ばらの陰謀を
嘉
(
よみ
)
しあそばすなどは、世の末、思いやられてなりません。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翠竹院の号はその折、
叡覧
(
えいらん
)
の光栄に浴したうえ、彼の本邦医学に寄与した功労を
嘉
(
よみ
)
したもうて、朝廷から
下賜
(
かし
)
あらせられたものとか、都の人々も聞いている。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ごもっともじゃ。さればその儀については、君もさらさら、お咎めではおわしまさぬ。そればかりか、
其許
(
そこ
)
の功を
嘉
(
よみ
)
せられ、征東将軍の称を贈って、宰相の心を
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嘉
漢検準1級
部首:⼝
14画
“嘉”を含む語句
嘉納
新嘉坡
嘉吉
嘉暦
嘉十
嘉瑞
嘉魚
嘉肴
嘉義
比嘉
値嘉島
嘉永
嘉助
嘉賞
嘉明
嘉靖
郭嘉
御嘉納
嘉兵衛
嘉代
...