“あのよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
冥途23.5%
彼世17.6%
黄泉14.7%
他界8.8%
冥土8.8%
冥府8.8%
冥世2.9%
冥界2.9%
冥間2.9%
幽冥2.9%
幽瞑2.9%
来世2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と言って文章の談をし、それから冥途あのよの官署の談をしたが、ほぼ現世と同じだった。陸は非常な大酒で一飲みに十の大杯に入れるほどの酒を飲んだ。
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
運惡うんわるく、おまへ途中とちうんでしまつたなら、わたくし追付おつゝ彼世あのよで、おまへかほるやうになりませうよ。
ことあたらしく今更に道十郎が後家に告口つげぐちなし此長庵がいのちちゞめさせたるは忝けないともうれしいともれい言盡いひつくされぬ故今はくゝられた身の自由じいうならねばいづ黄泉あのよからおのれも直に取殺し共に冥土めいどつれゆき禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「苦しゅうございます! それも一刻……すぐもう他界あのよで……」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
チッバ あをさいどの、最初さいしょ同伴つれだって足下おぬしぢゃ、冥土あのよくも一しょにおきゃれ。
冥府あのよへはな、近頃各方面の人間が集まるので、その男らの言うところを盗み聞きしているだけでも賢くなるよ。そいつら、どうせ地獄へ来るような奴だから、皆賢いよ」
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
生きていても、あなたとこの世のご縁はないし、ただ心は日ごと苦しみ、身は不仁ふじんな太師のにえになって、夜々、さいなまれるばかりです。せめて、後世ごせちぎりを楽しみに、冥世あのよへ行って待っております
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
最う既に何の苦痛をも知らぬ冥界あのよの人と為って了ったであろうか、夫とも猶だ死にはせず、其の身の不幸や、浮世の邪慳な事などを思い廻し、一人で思う存分に泣き入って居るで有ろうか
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
冥間あのよで、お前達夫婦の孝を感心せられて、それで、わしを帰して、逢わせてくだされたのだ。」
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
... 一層自分から死んでほんとの母様のおいでになる幽冥あのよへ参って暮らそうものと、それで覚悟を極ました所……」——「成程」と純八は仔細を聞くと、弱い一本気の娘心を、憐れまざるを得なかった。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私はイッタイ人間世界に居るのであろうか……それとも私はツイ今しがたから幽瞑あのよの世界に来て、何かの責苦せめくを受けているのではあるまいか。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もうしまして、わたくしいまいきなりんでからの物語ものがたりはじめたのでは、なにやらあまり唐突とうとつ……現世このよ来世あのよとの連絡つながりすこしもわからないので