“あのよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
冥途28.6%
彼世14.3%
黄泉14.3%
冥府10.7%
冥土7.1%
他界3.6%
冥世3.6%
冥界3.6%
冥間3.6%
幽冥3.6%
(他:2)7.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
という呼び声がツイ鼻の先の声のように……と……又も遠い遠い冥途あのよからの声のように、福太郎の耳朶みみたぼに這い寄って来た。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どこかで、うずらいている。ホロホロと昼の草むらに啼く鶉の声までが、もう冥途あのよみちのもののように聞えた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おまえさんとならばヨウ、何処どこまでもウ、親を離れて彼世あのよまでもゥ」わかい女の好いこえが歌う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
神様のことだの、永遠の事柄だの、今の苦しみを忍びながら彼世あのよで得られる仕合わせなどを、話してきかした。
黄泉あのよの実の母様にお目にかかることも出来ようかと……
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
母上は黄泉あのよに行かれた。
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
……沙漠の夕暮のような……冥府あのよへ行く途中のような……たよりない……気味のわるい……。
怪夢 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
冥府あのよへはな、近頃各方面の人間が集まるので、その男らの言うところを盗み聞きしているだけでも賢くなるよ。そいつら、どうせ地獄へ来るような奴だから、皆賢いよ」
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
チッバ あをさいどの、最初さいしょ同伴つれだって足下おぬしぢゃ、冥土あのよくも一しょにおきゃれ。
多の市はたつた四五日の間に、すつかりやつれ果てて、冥土あのよから來た幽鬼いうきのやうに、物をも食はずにうめき續け、お濱はすつかりおびえ切つて、部屋の隅にうづくまつたまま、涙もれさうに泣いてゐるのです。
叔父は例の昔気質むかしかたぎから、他界あのよの旅の便りにもと、編笠、草鞋わらぢ、竹の輪なぞを取添へ、別に魔除まよけと言つて、刃物を棺の蓋の上に載せた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「いえ、いえ、死なせて下さい。生きていても、あなたとこの世のご縁はないし、ただ心は日ごと苦しみ、身は不仁ふじんな太師のにえになって、夜々、さいなまれるばかりです。せめて、後世ごせちぎりを楽しみに、冥世あのよへ行って待っております」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真に身を投げたのなら、今頃は塔のドン底で何の様な有様と為って居るやら、彼の千艸屋で買ったと云う毒薬を呑み、最う既に何の苦痛をも知らぬ冥界あのよの人と為って了ったであろうか、夫とも猶だ死にはせず、其の身の不幸や、浮世の邪慳な事などを思い廻し
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
冥間あのよで、お前達夫婦の孝を感心せられて、それで、わしを帰して、逢わせてくだされたのだ。」
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「家を出た事は出ましたけれど、手頼って行く所も無く、と云うて家へ帰るも厭、それを若し無理に帰りましたならば、継母様は屹度わたしを責殺しなさるに違い無い。それより、一層自分から死んでほんとの母様のおいでになる幽冥あのよへ参って暮らそうものと、それで覚悟を極ました所……」——「成程」と純八は仔細を聞くと
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私はイッタイ人間世界に居るのであろうか……それとも私はツイ今しがたから幽瞑あのよの世界に来て、何かの責苦せめくを受けているのではあるまいか。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なにやらあまり唐突とうとつ……現世このよ来世あのよとの連絡つながりすこしもわからないので