トップ
>
黄泉
>
よみ
ふりがな文庫
“
黄泉
(
よみ
)” の例文
しかしあなた
樣
(
さま
)
がわざわざおいで下さつたのですから、
何
(
なん
)
とかして還りたいと思います。
黄泉
(
よみ
)
の國の神樣に相談をして參りましよう。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
静かに線路に下り立った彼は、身を
踞
(
かが
)
めてレールに耳を当てた。遠い
黄泉
(
よみ
)
の国からかでもあるように、不思議な濁音が響いて来る。
自殺を買う話
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
小野
(
おの
)
の
小町
(
こまち
)
、
几帳
(
きちょう
)
の陰に
草紙
(
そうし
)
を読んでいる。そこへ突然
黄泉
(
よみ
)
の
使
(
つかい
)
が現れる。黄泉の使は色の黒い若者。しかも耳は
兎
(
うさぎ
)
の耳である。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
神は、どうかしてもう一度、女神に会いたくおぼしめして、とうとうそのあとを追って、まっくらな
黄泉
(
よみ
)
の国までお出かけになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
春浪さんも唖々さんも共に
斉
(
ひと
)
しく
黄泉
(
よみ
)
の客となった。二十年の歳月は短きものではない。世の中も変れば従って人情も変った。
申訳
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
黄泉
(
よみ
)
の岩根の獣人酋長、
荒玉梟帥
(
あらたまたける
)
の乞いにまかせ、おいたわしいが美麻奈姫を、
妻
(
めあ
)
わせようという平和説と、それに反対する説とであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「子ら」の「ら」は親愛の語で複数を示すのではない。「
罷道
(
まかりぢ
)
」は此世を去って死んで
黄泉
(
よみ
)
の国へ行く道の意である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
現世と
黄泉
(
よみ
)
の國との境であると想像したといふ出雲の
伊賦夜坂
(
いぶよさか
)
(
比良坂
(
ひらさか
)
)のあたりを歩いて見たらばと思つて來た。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
崩してはまた盛り上げた砂浜ではあるが、大昔の
黄泉
(
よみ
)
への通路はやはりこの中央部を縦貫していたのかと思う。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
国つ罪の起原・
禊
(
ミソ
)
ぎの事始めを説明した呪言——いざなぎの命の
黄泉
(
よみ
)
訪問から「
檍原
(
アハギハラ
)
の禊ぎ」までをこめた——も、単なる説明詞章に過ぎなくなつて了うた。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
実
(
げ
)
に見渡す限り
磊々
(
らいらい
)
塁々たる石塊の山野のみで、聞ゆるものは鳥の鳴く
音
(
ね
)
すらなく満目ただ荒涼、
宛然
(
さながら
)
話しに聞いている
黄泉
(
よみ
)
の国を目のあたり見る心地である。
月世界跋渉記
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
足もとの闇から
黄泉
(
よみ
)
の府にまで続いているのではないかと思われる。群山すべて低く白い
曳迷
(
えいめい
)
は雲である。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕はホテル以來麻素子さんを
黄泉
(
よみ
)
の女王と言つてゐた。芥川と僕との間では平松さんとか麻素子さんとか言ふよりは、黄泉の女王といつたはうが言ひやすかつた。
二つの絵:芥川竜之介の回想
(旧字旧仮名)
/
小穴隆一
(著)
しかし、これらの
黄泉
(
よみ
)
よりの客人らは、一向人々の挨拶に応ずることもなく、ただ黙々として炉辺に坐っていたが、やがて火が消えると忽然として立ち去ってしまった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
アンリエットの薔薇の匂いが夜の匂いのようにゆらめくのを感じながら、これが二百年後の日本にも匂う匂いであろうかと、心は
黄泉
(
よみ
)
に漂うごとくうつらとするのだった。
旅愁
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
この老婦人だけがあたかも
黄泉
(
よみ
)
の国からの孤客のように見えるのであった。
軽井沢
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
確実に
黄泉
(
よみ
)
の国へ行っていたはずの最後の愛人、十九歳のセグレェなどは、ランドリュにとって不利な証言はすべて拒否し、証人台の上からランドリュにたいする深い思慕の情を述べている。
青髯二百八十三人の妻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ふる鏡霜に裂けたるこだまなし
夜烏
(
よがらす
)
むせび
黄泉
(
よみ
)
にや帰る
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
ただ
生涯
(
しやうがい
)
の船がかり、いづれは
黄泉
(
よみ
)
へ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
黄泉
(
よみ
)
の底まで、泣きながら
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
黄泉
(
よみ
)
の
坂路
(
さかぢ
)
のさかしきに
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
天津みそらも
黄泉
(
よみ
)
の
荊棘
(
いばら
)
。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
黄泉
(
よみ
)
の
醜女
(
しこめ
)
は
嫉妬
(
ねたみ
)
あり
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
黄泉
(
よみ
)
の洞なる戀人に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
黄泉
(
よみ
)
の
郷
(
くに
)
では
ヂェラルド・ド・ネルヴァル
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
そして、ようよう、この世界と
黄泉
(
よみ
)
の国との
境
(
さかい
)
になっている、
黄泉比良坂
(
よもつひらざか
)
という坂の下まで遁げのびていらっしゃいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
大勢
(
おおぜい
)
の
神将
(
しんしょう
)
、あるいは
戟
(
ほこ
)
を
執
(
と
)
り、あるいは
剣
(
けん
)
を
提
(
ひっさ
)
げ、
小野
(
おの
)
の
小町
(
こまち
)
の屋根を
護
(
まも
)
っている。そこへ
黄泉
(
よみ
)
の使、
蹌踉
(
そうろう
)
と空へ現れる。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
イザナギの命は
黄泉
(
よみ
)
の國からお還りになつて、「わたしは隨分
厭
(
いや
)
な
穢
(
きたな
)
い國に行つたことだつた。わたしは
禊
(
みそぎ
)
をしようと思う」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「
黄泉
(
よみ
)
の
岩根
(
いわね
)
」と呼ばれる谷には、半分獣半分人間の「獣人」どもが住んでいて、あらゆる邪悪の振る舞いをし、
禍日
(
まがつび
)
の製造にいそしんでいた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
兎もあれ、旅の私達が出て行つたところは、暗い
黄泉
(
よみ
)
の國どころか、むしろその反對に、ちよつと他に見られないほどやはらかく明るい感じのする地方であつた。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
見えない彼方の
黄泉
(
よみ
)
から吹き流れて来る霧の、茫茫たる渦巻かとも思われたりした。
旅愁
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
現在はいずれも地底のことに解せられているが、それは根国を
黄泉
(
よみ
)
に同じというのと、
似通
(
にかよ
)
うた解釈の傾向であった。つまりは海上の交通は遅かれ早かれ、一旦は断絶せずにはいなかったのである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
黄泉
(
よみ
)
の
扉
(
と
)
はまのあたり
額
(
ぬか
)
を
圧
(
お
)
す。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
天女も
黄泉
(
よみ
)
に堕ちぬべき
都喜姫
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
気の毒なのはお姫様、無慈悲なお前さんの犠牲になり、
黄泉
(
よみ
)
の岩根へ行ったからは、そこで生涯暮らさなければならない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それを拔いてたべている間にお逃げになりました。
後
(
のち
)
にはあの女神の
身體中
(
からだじゆう
)
に生じた雷の神たちに澤山の
黄泉
(
よみ
)
の國の魔軍を副えて
追
(
お
)
わしめました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
年とったわたしの父や母もきっと一しょに死んでしまいます。(一層泣き声を立てながら)わたしは
黄泉
(
よみ
)
の使でも、もう少し優しいと思っていました。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし、せっかくおいでくださいましたのですから、ともかくいちおう
黄泉
(
よみ
)
の神たちに相談をしてみましょう。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
誉
(
ほまれ
)
よはやく
黄泉
(
よみ
)
の人
都喜姫
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
それは
人界
(
このよ
)
の「美」ではなく
黄泉
(
よみ
)
の国の幽霊か、仮面を冠った人かのようで、精気もなければ血の気もない。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この桃の枝は雲の上にひろがり、この桃の根は
大地
(
だいち
)
の底の
黄泉
(
よみ
)
の国にさえ及んでいた。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かれその伊耶那美の命に
號
(
なづ
)
けて
黄泉津
(
よもつ
)
大神といふ。またその追ひ
及
(
し
)
きしをもちて、
道敷
(
ちしき
)
の大神
二一
ともいへり。またその
黄泉
(
よみ
)
の坂に
塞
(
さは
)
れる石は、
道反
(
ちかへし
)
の大神ともいひ、
塞
(
さ
)
へます
黄泉戸
(
よみど
)
の大神ともいふ。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「十一人!
尊
(
みこと
)
は部落の旧習に全然無頓着で御出でなさる。第一の
妃
(
きさき
)
が御なくなりなすつたのに、十一人しか
黄泉
(
よみ
)
の御供を御させ申さないと云ふ法があらうか? たつた皆で十一人!」
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ここのみは
黄泉
(
よみ
)
なる姿
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
〔
黄泉
(
よみ
)
の國〕
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
“黄泉”の意味
《名詞》
(こうせん)地下の泉。
(こうせん)地下にあり、死者が行くとされる世界。
(出典:Wiktionary)
“黄泉”の解説
黄泉(よみ、おみ)とは、日本神話や聖書における死者の世界のこと。
(出典:Wikipedia)
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
泉
常用漢字
小6
部首:⽔
9画
“黄泉”で始まる語句
黄泉比良坂
黄泉国
黄泉路
黄泉醜女
黄泉國
黄泉神
黄泉戸喫
黄泉軍
黄泉道守
黄泉戸