よみ)” の例文
旧字:
またなんぞあい関渉して教門のためにして政治その害を受くることあらんや。余よみてこの文に至り、おおいに了解しがたきおぼう。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
(二百四五十帋の自筆なり)かつて梱外こんぐわいいださゞりしを、狂哥堂真顔翁珎書ちんしよなれば懇望こんまうしてかの家より借りたる時亡兄ばうけいとともによみしことありき。
毎日新聞の来るのを待ち受けて、自分が一番先へ読んだ。それからそのよみがらをわざわざ私のいる所へ持って来てくれた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ものして婦女童幼ふじょどうようこびんとする世の浅劣せんれつなる操觚者流そうこしゃりゅうは此の灯籠の文をよみて圓朝おじはじざらめやはいさゝか感ぜし所をのべて序をわるゝまゝ記して与えつ
怪談牡丹灯籠:01 序 (新字新仮名) / 坪内逍遥(著)
前年までの肉体文学は、よりひろい風俗文学、中間小説とよばれるよみもの小説の氾濫に合流した。
しかし彼がそう言ったのをみれば、彼には“よみ”も“意味”もわかっていたにちがいあるまい。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし小指はウィイン法学雑誌のよみかけの頁へ挟まれているのを私は見落さなかった。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
女御にょごきさきがねとよばれるきわの女性が、つくしびとにさらわれて、遠いあなたの空から、都をしのび、いまは哲学めいたよみものを好むとあれば、わたしのはかなんだロマンスは上々のもので
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
よみてその奥に至れば、心事しんじ恍爾こうじとしてほとんど天外にるのおもいをなすべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
内にはすうちやんが今日をはれと着飾つて、その美しさと謂ふものは! ほんにまああんな縹致きりようと云ひ、気立と云ひ、諸芸も出来れば、よみかき針仕事はりしごと、そんなことは言つてゐるところではない。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それ以来、私の眼に触れるよみものとしては、ただ新聞だけだった。が、その新聞すらも読むことを許されなかった。子供は新聞なんか読むものでない。これが祖母たちの「高尚こうしょうな意見」だった。
私は子供のうちから日課の本より戯作げさくもの実録ものなど読むがすきで、十一才の時分にはモウお袋の仕事する傍らにすわつてさま/″\貸本やの書物などや、父がよみふるしの雑誌なども好んで読みました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
新春のよみものだからといって、暢気のんきらしい。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(二百四五十帋の自筆なり)かつて梱外こんぐわいいださゞりしを、狂哥堂真顔翁珎書ちんしよなれば懇望こんまうしてかの家より借りたる時亡兄ばうけいとともによみしことありき。
彼女はひろよみにぽつぽつ読み下した。ブック・オフ・ジョークス。イングリッシ・ウィット・エンド・ヒュモア。……
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、湯屋の軒からわかれてしまったので、太平記よみの小屋をのぞいてみたが、そこの百目蝋燭もはや消されて、人影もない小屋の奥に誰やら、あと片づけをしている様子だった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとえば子供よみものの再吟味で、講談社が氾濫させ、子供の注意を散マン低下させた粗悪な漫画がいくらか減ったのなど、やはりよいことの一つとして作用しているようなものです。
お嬢さんたちは、芝居の八百屋お七や油屋あぶらやお染だと思えばまあ間違いはない、御大層なのは友禅ゆうぜんの座ぶとんを抱えさせてくる。お手習だけしているのもあれば、よみものをしにくるのもある。
○さて此事たあいもなき小どものたはむれとのみおもひすぐししに、醒斎せいさい京伝翁が骨董集こつとうしふよみ本拠ほんきよある事を発明はつめいせり。
○さて此事たあいもなき小どものたはむれとのみおもひすぐししに、醒斎せいさい京伝翁が骨董集こつとうしふよみ本拠ほんきよある事を発明はつめいせり。
此事碩学せきがくきこえたか了阿れうあ上人のはなしにきゝてかの経を借得かりえよみしが、これぞ夜光の玉のおや玉なるべき。
此事碩学せきがくきこえたか了阿れうあ上人のはなしにきゝてかの経を借得かりえよみしが、これぞ夜光の玉のおや玉なるべき。