よみ)” の例文
新字:
立出たちいで見れば水はなく向ふのいへに話しの老人らうじん障子をひらきて書をよみゐたるに是なる可しと庭口にはぐちより進み入つゝ小腰こごしかゞまことに申し兼たれどもおみづ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其處そこぼく昨日きのふチエホフの『ブラツクモンク』をよみさしておもはずボズさんのことかんがし、その以前いぜん二人ふたり溪流たにがは奧深おくふかさかのぼつて「やまめ」をつたことなど
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
日本で云ひらされたバツカスとかヸーナスとか云ふのは英吉利イギリスよみにされたと見えますから其邊そのへん一寸ちよつと讀者に注意して置いてらないと惡いだらうと思ひます。
『伝説の時代』序 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちひさきかみ川村太吉かはむらたきちかいりたるをよみみて此處こゝだ/\とくるまよりりける、姿すがたつけて、おゝ番町ばんちやう旦那樣だんなさまとおさんどんが眞先まつさきたすきをはづせば、そゝくさは飛出とびだしていやおはやいおいで
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから又羅甸ラテンよみにしてもクオンチチイを付けて發音しないで、のべつに羅馬ローマ字綴りの讀み方たやうにつたのがあるなら、それついでことわつて置いて御遣おやんなさい。
『伝説の時代』序 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
持て私が取にしかし事によるこられぬ時は御まへの内へ直樣すぐさま取にやるから一寸請取をかいくださいと云ふにぞ道具屋は書付かきつけしたゝ判迄はんまでおして出しければ直八手に取揚とりあげよみけるに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殺害せつがいせしや憑司ひようじ夫婦の者より願ひ書のおもむき只今たゞいま讀聞よみきかせる間うけたまはれとありければ目安方めやすかた與力よりき其願書をよみ上るに越前守殿又傳吉に向はれ憑司が願ひ書のおもむおぼえあるやと云るれば傳吉は漸々やう/\おもて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)