よみ)” の例文
薄雪ははかないものにたとえ、薄命の掛言葉にさえなっているのだから、道益は腹をたて、よみだけとって行子ともじり変えてしまった。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
並背なみぜいにていが栗の頭髮つむりも思ひなしか俗とは變りて、藤本信如ふぢもとのぶゆきよみにてすませど、何處やらしやくといひたげの素振なり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたくしは「さいき」が正しいよみであるのを、たまたま植字者が「ほそき」と誤ったものかと思っていたのである。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
もし旅人の見聞ならば、おそらくは文字にいて普通のよみを附したまでであって、必ずしも現今里人の自称するところをもって後訛なりとは言いがたい。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
一通りよみをして、それからいちいち字義の解釈を下して、全体の説明にうつりました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
和学者わがくしゃのおしかりを受けて、こういうよみがある、ああいうよみがあるという反証はんしょうが出るかも知れぬが、それにしても、これほどな大和やまと民族の特長が、普通一般に漢音かんおんで流通していることはなさけない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
山川村庄さんせんそんしやうはさらなり、およそ物の名のよみかた清濁すみにごるによりて越後の里言りげんにたがひたるもあるべし。しかれども里言は多く俗訛ぞくなまりなり、いましばらく俗にしたがふもあり。本編には音訓おんくん仮名かなくださず、かなづけは所為しわざなり。
山川村庄さんせんそんしやうはさらなり、およそ物の名のよみかた清濁すみにごるによりて越後の里言りげんにたがひたるもあるべし。しかれども里言は多く俗訛ぞくなまりなり、いましばらく俗にしたがふもあり。本編には音訓おんくん仮名かなくださず、かなづけは所為しわざなり。
並背なみぜいにていがぐり頭髮つむりおもひなしかぞくとはかはりて、藤本信如ふぢもとのぶゆきよみにてすませど、何處どこやらしやくといひたげの素振そぶりなり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
並背なみぜいにていが栗の頭髪つむりも思ひなしか俗とは変りて、藤本信如ふぢもとのぶゆきよみにてすませど、何処どこやらしやくといひたげの素振そぶりなり。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)