売渡うりわた)” の例文
旧字:賣渡
すると、早百合姫に附添つきそっていた家来の男女は、薄情はくじょうなもので、両人しめし合せ、館も人手に売渡うりわたし、金目のものは残らずさらってどこかへ逃亡とうぼうしてしまいました。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そうだ、C・C・D潜水艦もぶん取ったし、春田龍介という小僧も生捕いけどったから、いよいよ骸骨島へ引上げて、潜水艦は外国の海軍に売渡うりわたし、龍介の小僧はヤンセンの仇を
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その土地の内にさんする生糸きいとは一切いださずして政府の手より仏国人に売渡うりわたさるるよういたし、御承知ごしょうちにてもあらんが仏国は世界第一の織物国おりものこくにして生糸の需用じゅようはなはさかんなれば