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殺生禁斷
予が
面體に
見覺え
有かとの御尋なり此時忠右衞門
畏まり奉る上意の通り私し儀山田奉行
勤役中先年阿漕が浦なる
殺生禁斷の場所へ
夜々網を
たゞ
斷つて
置くが、その
搖る
篝火の
如き、
大紅玉を
抱いた
彼のをんなは、
四時ともに
殺生禁斷のはずである。
達すれば
殺生禁斷の
場所へ
網を
卸せしと見ながら
其儘に
差置難し此度は
自身參べしとて
與力二人を
召連れ阿漕が浦に
到れば其夜も徳太郎君
例の如く
網を