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撼
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ゆる
ふりがな文庫
“
撼
(
ゆる
)” の例文
人生の
粋
(
すい
)
な味や意気な味がお糸さんの声に乗って、私の耳から心に
染込
(
しみこ
)
んで、生命の髄に触れて、全存在を
撼
(
ゆる
)
がされるような気がする。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
父
(
ちゝ
)
なるものは
蚊柱
(
かばしら
)
の
立
(
たつ
)
てる
厩
(
うまや
)
の
側
(
そば
)
でぶる/\と
鬣
(
たてがみ
)
を
撼
(
ゆる
)
がしながら、ぱさり/\と
尾
(
を
)
で
臀
(
しり
)
の
邊
(
あたり
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
居
(
ゐ
)
る
馬
(
うま
)
に
秣
(
まぐさ
)
を
與
(
あた
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
天地を
撼
(
ゆる
)
がす
喊声
(
かんせい
)
とともに
胡兵
(
こへい
)
は山下に殺到した。胡兵の
先登
(
せんとう
)
が二十歩の距離に迫ったとき、それまで鳴りをしずめていた漢の陣営からはじめて
鼓声
(
こせい
)
が響く。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そして、世界を
撼
(
ゆる
)
がす愛の大波は、頭から足先まで彼女を抱きしめ、彼女を巻き込み、彼女を天までもち上げた……。おう神よ、
児
(
こ
)
を産む女は汝にも匹敵する。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
醒めたるあとにもなお耳を襲う声はありて、今聞ける君が笑も、
宵
(
よべ
)
の名残かと骨を
撼
(
ゆる
)
がす
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
西風
(
にしかぜ
)
は
川
(
かは
)
に
吹
(
ふ
)
き
落
(
お
)
ちる
時
(
とき
)
西岸
(
せいがん
)
の
篠
(
しの
)
をざわ/\と
撼
(
ゆる
)
がす。
更
(
さら
)
に
東岸
(
とうがん
)
の
土手
(
どて
)
を
傳
(
つた
)
うて
吹
(
ふ
)
き
上
(
あ
)
げる
時
(
とき
)
、
土手
(
どて
)
の
短
(
みじか
)
い
枯芝
(
かれしば
)
の
葉
(
は
)
を
一葉
(
ひとは
)
づゝ
烈
(
はげ
)
しく
靡
(
なび
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
左右に低き帆柱を控えて、中に高き一本の真上には——「白だッ」とウィリアムは口の中で言いながら前歯で唇を
噛
(
か
)
む。
折柄
(
おりから
)
戦の声は夜鴉の城を
撼
(
ゆる
)
がして、淋しき海の上に響く。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
熬
(
い
)
りつける
樣
(
やう
)
な
油蝉
(
あぶらぜみ
)
の
聲
(
こゑ
)
が
彼等
(
かれら
)
の
心
(
こゝろ
)
を
撼
(
ゆる
)
がしては
鼻
(
はな
)
のつまつたやうなみん/\
蝉
(
ぜみ
)
の
聲
(
こゑ
)
が
其
(
そ
)
の
心
(
こゝろ
)
を
溶
(
とろ
)
かさうとする。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
折から遠くより吹く
木枯
(
こがら
)
しの高き塔を
撼
(
ゆる
)
がして
一度
(
ひとた
)
びは壁も落つるばかりにゴーと鳴る。弟はひたと身を寄せて兄の肩に顔をすりつける。雪のごとく白い
蒲団
(
ふとん
)
の一部がほかと
膨
(
ふく
)
れ
返
(
かえ
)
る。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
撼
漢検1級
部首:⼿
16画
“撼”を含む語句
震撼
喧騒震撼
撼動
撼揺
震撼的