許容ゆる)” の例文
家財道具かざいだうぐもんそとはこばれたとき火勢くわせいすですべてのものちかづくことを許容ゆるさなかつた。いへかこんでひがしにもすぎ喬木けうぼくつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
客人達もその利己主義を許容ゆるし、主人夫妻をして明日のために充分眠らしめ、そこで自分も安心して自分達の愉快を尽すというところに、本当の利己主義の妙味があると思います。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もちは四かく庖丁はうちやうれるとぐに勘次かんじ自分じぶん枕元まくらもとをけしまつて無斷むだんにはおつぎにさへすことを許容ゆるさないのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くりかげ勘次かんじはだん/\といくらづゝでも洪水こうずゐはなし興味きようみかんじてもたし、それから假令たとひどうでもたづねてあね挨拶あいさつもせぬのは他人たにん手前てまへ許容ゆるさないのでやうやつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)