“慢(ゆる)” の例文
一肌一容(いつきいちよう)、態ヲ尽シ妍(けん)ヲ極メ、慢(ゆる)ク立チ遠ク視テ幸ヒヲ望ム。見(まみ)ユルコトヲ得ザルモノ三十六年……
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
緑濃(こまや)かに生茂(おひしげ)れる庭の木々の軽々(ほのか)なる燥気(いきれ)と、近き辺(あたり)に有りと有る花の薫(かをり)とを打雑(うちま)ぜたる夏の初の大気は、太(はなは)だ慢(ゆる)く動きて、その間に旁午(ぼうご)する玄鳥(つばくら)の声朗(ほがらか)に、幾度(いくたび)か返しては遂(つひ)に往きける跡の垣穂(かきほ)の
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)