“慢心”の読み方と例文
読み方割合
まんしん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
匹夫の出世ほど危ういものはないぞ。ひとのそねみ、あげつらい、みな己れが慢心まんしんすればこそなれ。汝は、中村のむかしを忘るるなよ、主君の御恩を忘却ぼうきゃくいたすまいぞ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宗助そうすけには宜道ぎだう意味いみがよくわからなかつた。かれこの生若なまわかあをあたまをしたばうさんのまへつて、あたかも一低能兒ていのうじであるかのごと心持こゝろもちおこした。かれ慢心まんしん京都きやうと以來いらいすで銷磨せうまつくしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ただ呉々くれぐれも妻は己の職業に慢心まんしんして大切にしてもらう夫にれ、かりにも威張いばったり増長ぞうちょうせぬこと。月並のいましめのようなれど、余程よほどの心がけなくてはいわゆる女性のあさはかより、このへいおちいやすかるべし。
良人教育十四種 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)