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慢々
読み方 | 割合 |
ぶら/\ | 50.0% |
ゆらゆら | 50.0% |
少しも買ず
慢々と下谷邊まで
回りし處長者町へ來りし時は終に日も
暮しにより道に
迷つて馬喰町へ
歸る
方角を失ひ
種々聞ても一向に道は知ず
途方に
昏しゆゑ長八は番屋を頼み
日雇を
見ながら歸りても
能夫は
兎もあれ今日は初商ひゆゑ
紙屑は何程
買れたるやと申に長八は
暫時無言なりしが
否も面目なし實に初めてのせゐか少しも
屑は買へず一日
慢々歩行て
草臥設なりといひければ
流石の長兵衞も
惘れ
果物を
いでや、事の
様を見んとて、
慢々と
出来れるは富山唯継なり。片手には
葉巻の
半燻りしを
撮み、
片臂を五紋の
単羽織の
袖の内に張りて、鼻の下の延びて見ゆるやうの
笑を浮べつつ