トップ
>
許
>
ゆる
ふりがな文庫
“
許
(
ゆる
)” の例文
男
(
おとこ
)
は、さかんに
悪
(
わる
)
いことをしました。しかし、
世間
(
せけん
)
は、それを
許
(
ゆる
)
すものではありませんから、じきにまた
捕
(
と
)
らえられてしまいました。
おけらになった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし下人にとつては、この
雨
(
あめ
)
の
夜
(
よ
)
に、この羅生門の上で、死人の髮の
毛
(
け
)
を拔くと云ふ事が、それ丈で既に
許
(
ゆる
)
す可らざる惡であつた。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「おっと、
御念
(
ごねん
)
には
及
(
およ
)
ばねえ。お
上
(
かみ
)
が
許
(
ゆる
)
しておくんなさりゃァ、
棒鼻
(
ぼうはな
)
へ、
笠森
(
かさもり
)
おせん
御用駕籠
(
ごようかご
)
とでも、
札
(
ふだ
)
を
建
(
た
)
てて
行
(
ゆ
)
きてえくらいだ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
默
(
だま
)
れ!
甥
(
をひ
)
の
癖
(
くせ
)
に
伯父樣
(
をぢさま
)
の
妾
(
めかけ
)
を
狙
(
ねら
)
ふ。
愈々
(
いよ/\
)
以
(
もつ
)
て
不埒
(
ふらち
)
な
奴
(
やつ
)
だ。なめくぢを
煎
(
せん
)
じて
飮
(
の
)
まして、
追放
(
おつぱな
)
さうと
思
(
おも
)
うたが、
然
(
さ
)
う
聞
(
き
)
いては
許
(
ゆる
)
さぬわ。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天子
(
てんし
)
さまはその
歌
(
うた
)
をおよみになって、かわいそうにお
思
(
おも
)
いになり、
頼政
(
よりまさ
)
を
四位
(
しい
)
の
位
(
くらい
)
にして、
御殿
(
ごてん
)
に
上
(
のぼ
)
ることをお
許
(
ゆる
)
しになりました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
でも力も落とさず、それから引っ返してしまおうとも思わずに待っていたおかげで、わたしはやっと面会を
許
(
ゆる
)
されることになった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
『できても、できなくても一
応
(
おう
)
神様
(
かみさま
)
に
談判
(
だんぱん
)
して
戴
(
いただ
)
きます。これ
位
(
くらい
)
の
願
(
ねが
)
いが
許
(
ゆる
)
されないとあっては、
俺
(
わし
)
にも
料簡
(
りょうけん
)
がござります……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「この外人はまことに恐れ入ったしだいであるといい、かく脱帽しておわびを申し上げています、何分にも
命
(
いのち
)
だけはお
許
(
ゆる
)
しを
願
(
ねが
)
いたい」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
闔廬
(
かふろ
)
曰
(
いは
)
く、『
試
(
こころ
)
みに
婦人
(
ふじん
)
を
以
(
もつ
)
てす
可
(
べ
)
きか』と。
曰
(
いは
)
く、『
可
(
か
)
なり』と。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
之
(
これ
)
を
許
(
ゆる
)
す。
宮中
(
きうちう
)
の
美女
(
びぢよ
)
を
出
(
いだ
)
し、百八十
人
(
にん
)
を
得
(
え
)
たり。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
然
(
しか
)
しその
時
(
とき
)
の
周圍
(
しうゐ
)
の
事情
(
じじやう
)
は、
病人
(
びやうにん
)
をK
氏
(
し
)
の
家
(
うち
)
に
臥
(
ね
)
かして
置
(
お
)
く
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
さないので、
直
(
す
)
ぐに
何處
(
どこ
)
へか
入院
(
にふゐん
)
させなければならなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
院長
(
ゐんちやう
)
の
某
(
なにがし
)
が
媒
(
なかだ
)
ちをしたのだといふ
噂
(
うは
)
さもあつた。
人々
(
ひと/″\
)
はたゞ
彼女
(
かのぢよ
)
も
弱
(
よわ
)
い
女
(
をんな
)
であるといふことのために、
目
(
め
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ
耳
(
みゝ
)
を
掩
(
おほ
)
うて
彼女
(
かのぢよ
)
を
許
(
ゆる
)
した。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「むぐらは
許
(
ゆる
)
しておやりよ。
僕
(
ぼく
)
もう
今朝
(
けさ
)
許
(
ゆる
)
したよ。けれどそのおいしいたべものは少しばかり
持
(
も
)
って来てごらん」と
言
(
い
)
いました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
なにしろ、あいつたちは卵やヒナドリまでも
許
(
ゆる
)
してはおかないということだから、どこかへ、ひっこさなくちゃなるまい、というのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
始めとして富澤町の
實父
(
じつぷ
)
にも兄にも
先立
(
さきだつ
)
不幸
(
ふかう
)
の罪お
許
(
ゆる
)
し
成
(
なさ
)
れて下されよ是皆前世の定業と
斷念
(
あきらめ
)
られて
逆樣
(
さかさま
)
ながら只一
遍
(
ぺん
)
の御回向を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ああ、お
許
(
ゆる
)
しがでないとあたしたちもいただけやしないからね。それに、」と、女中は
妙
(
みょう
)
な顔をして笑いながらいいました。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
山田
(
やまだ
)
は
元来
(
ぐわんらい
)
閉戸主義
(
へいこしゆぎ
)
であつたから、
其
(
そ
)
の
躯
(
からだ
)
が
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふ
雑務
(
ざつむ
)
に
鞅掌
(
わうしやう
)
するのを
許
(
ゆる
)
さぬので、
自
(
おのづ
)
から
遠
(
とほざ
)
かるやうに
成
(
な
)
つたのであります
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
晝
(
ひる
)
は
午睡
(
ひるね
)
が
許
(
ゆる
)
されてあるので
其
(
そ
)
の
時間
(
じかん
)
を
割
(
さ
)
いて
器用
(
きよう
)
な
彼
(
かれ
)
には
内職
(
ないしよく
)
の
小遣取
(
こづかひどり
)
も
少
(
すこ
)
しは
出來
(
でき
)
た。
好
(
す
)
きな
煙草
(
たばこ
)
とコツプ
酒
(
ざけ
)
に
渇
(
かつ
)
することはなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それが大変うまく、緩急をつけて、なかなかちょっと誰にでもはやれない地唄の中の
許
(
ゆる
)
し物を
嗄
(
か
)
れた渋い声で唄って来る。
京のその頃
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
そこで五人は
出
(
で
)
かけました。お
母
(
かあ
)
さんにちゃんとお
約束
(
やくそく
)
をしたので、五人だけで
行
(
い
)
ってもいいというお
許
(
ゆる
)
しが出たのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
其以上
(
それいじやう
)
、
私
(
わたし
)
の
詰問
(
きつもん
)
の
矢
(
や
)
の
根
(
ね
)
は
通
(
とほ
)
らぬ。
通
(
とほ
)
らぬ
処
(
ところ
)
に
暗
(
くら
)
い
不安
(
ふあん
)
の
影
(
かげ
)
が
漂
(
たゞよ
)
うてゐるのであるが、
影
(
かげ
)
は
影
(
かげ
)
で、一
歩
(
ぽ
)
も
私
(
わたし
)
の
足迹
(
そくせき
)
を
容
(
い
)
るゝを
許
(
ゆる
)
さぬのである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そこで
子家鴨
(
こあひる
)
は
試
(
ため
)
しに三
週間
(
しゅうかん
)
ばかりそこに
住
(
す
)
む
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
されましたが、
卵
(
たまご
)
なんか
一
(
ひと
)
つだって、
生
(
うま
)
れる
訳
(
わけ
)
はありませんでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
不都合
(
ふつごう
)
な
奴
(
やつ
)
だ。しかしおとなしく人形をだしたから、
命
(
いのち
)
だけは
助
(
たす
)
けてやる。どこへなりといってしまえ。またこれから
泥坊
(
どろぼう
)
をすると
許
(
ゆる
)
さんぞ」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「へエ——、面目次第も御座いません。——親御(金右衞門)のお
許
(
ゆる
)
しがあれば、何時でも一緒になる氣で居りました」
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これらの
博物館
(
はくぶつかん
)
について
一々
(
いち/\
)
詳
(
くは
)
しくお
話
(
はな
)
しをすることは、この
本
(
ほん
)
の
紙面
(
しめん
)
が
許
(
ゆる
)
さないばかりでなく、
科學博物館
(
かがくはくぶつかん
)
や、
美術
(
びじゆつ
)
、
歴史
(
れきし
)
の
博物館
(
はくぶつかん
)
に
關
(
かん
)
しては
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「いや、
何度
(
なんど
)
お
前
(
まえ
)
が
頼
(
たの
)
みにきても、わしは
井戸
(
いど
)
を
掘
(
ほ
)
らせん。しゃっくりがもうあと一
日
(
にち
)
つづくと、わしが
死
(
し
)
ぬそうだが、
死
(
し
)
んでもそいつは
許
(
ゆる
)
さぬ。」
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
左樣
(
さやう
)
さ、
一旦
(
いつたん
)
は
無事
(
ぶじ
)
に
本國
(
ほんごく
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
たが、
法律
(
ほふりつ
)
と、
社會
(
しやくわい
)
の
制裁
(
せいさい
)
とは
許
(
ゆる
)
さない、
嚴罰
(
げんばつ
)
を
蒙
(
かうむ
)
つて、
酷
(
ひど
)
い
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
つて、
何處
(
いづく
)
へか
失奔
(
しつぽん
)
してしまいましたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これは、
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
のれいの
蓑虫根性
(
みのむしこんじょう
)
から起ること、なにとぞ、とくにお頭領よりこの又八に、城外へ打ってでることを、お
許
(
ゆる
)
し願わしゅうぞんじます
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
臆斷
(
おくだん
)
を
許
(
ゆる
)
すべき
餘地
(
よち
)
が、
安井
(
やすゐ
)
と
御米
(
およね
)
の
間
(
あひだ
)
に
充分
(
じゆうぶん
)
存在
(
そんざい
)
し
得
(
う
)
るだらう
位
(
ぐらゐ
)
に
考
(
かんが
)
へて、
寐
(
ね
)
ながら
可笑
(
をか
)
しく
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、たとへば、たとへばと
諸賢
(
しよけん
)
のの
麻雀振
(
マアジヤンぶり
)
も
紹介
(
せうかい
)
する
積
(
つも
)
りだつたが、ちやうど
許
(
ゆる
)
された
枚數
(
まいすう
)
にも
達
(
たつ
)
したし、あとの
祟
(
たた
)
りも
恐
(
おそ
)
ろしいので。(
昭
(
せう
)
五・三・三)
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
陪審人
(
ばいしんにん
)
の
一
(
ひと
)
つが
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
軋
(
きし
)
らせました。
立
(
た
)
つことを
許
(
ゆる
)
されないにも
拘
(
かゝは
)
らず
愛
(
あい
)
ちやんは、
法廷
(
ほふてい
)
を
廻
(
まは
)
つて
其
(
そ
)
の
背後
(
うしろ
)
へ
行
(
ゆ
)
き、
隙
(
すき
)
を
狙
(
ねら
)
つて
手早
(
てばや
)
くそれを
取
(
と
)
り
去
(
さ
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と
可愛
(
かはゆ
)
き
妻
(
つま
)
が
姉
(
あね
)
の
事
(
こと
)
なれば、
優
(
やさ
)
しき
許
(
ゆる
)
しの
願
(
ねが
)
はずして
出
(
で
)
るに、
飛立
(
とびた
)
つほど
嬉
(
うれ
)
しいを
此方
(
こなた
)
は
態
(
わざ
)
と
色
(
いろ
)
にも
見
(
み
)
せす、では
行
(
ゆ
)
きませうかと
不勝々々
(
ふしよう/″\
)
に
箪笥
(
たんす
)
へ
手
(
て
)
を
懸
(
かく
)
れば
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すなわち
紹介
(
しょうかい
)
を求めて
軍艦奉行
(
ぐんかんぶぎょう
)
の
邸
(
やしき
)
に
伺候
(
しこう
)
し、
従僕
(
じゅうぼく
)
となりて
随行
(
ずいこう
)
せんことを
懇願
(
こんがん
)
せしに、奉行は
唯
(
ただ
)
一面識
(
いちめんしき
)
の
下
(
もと
)
に
容易
(
たやす
)
くこれを
許
(
ゆる
)
して
航海
(
こうかい
)
の
列
(
れつ
)
に加わるを得たり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
敢
(
あへ
)
て一行を
煩
(
わづら
)
はすことなけん、
謹
(
つつし
)
んで随行の
許可
(
きよか
)
を得んことを
乞
(
こ
)
ふと、衆其
熱心
(
ねつしん
)
に
感
(
かん
)
じ
喜
(
よろこ
)
んで之を
許
(
ゆる
)
す、内二人は上牧村の者にして他一人は藤原村字
窪
(
くぼ
)
の者とす
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
吾が国に
雪吹
(
ふゞき
)
といへるは、
猛風
(
まうふう
)
不意
(
ふい
)
に
起
(
おこ
)
りて
高山平原
(
かうざんへいげん
)
の雪を
吹散
(
ふきちら
)
し、その風四方にふきめぐらして
寒雪
(
かんせつ
)
百万の
箭
(
や
)
を
飛
(
とば
)
すが如く、
寸隙
(
すんげき
)
の
間
(
あひだ
)
をも
許
(
ゆる
)
さずふきいるゆゑ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
早速
(
さっそく
)
これを
許
(
ゆる
)
し宗伯を熱海に
遣
(
つか
)
わすこととなり、
爾来
(
じらい
)
浅田はしばしば熱海に
往復
(
おうふく
)
して公使を
診察
(
しんさつ
)
せり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
すぐにその
力
(
ちから
)
のなすまゝに
形
(
かたち
)
を
調節
(
ちようせつ
)
して
平均
(
へいきん
)
が
成
(
な
)
り
立
(
た
)
つため、
地震力
(
ぢしんりよく
)
が
蓄
(
たくは
)
へられることを
許
(
ゆる
)
されない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
『
同船
(
どうせん
)
許
(
ゆる
)
す、みんな
乘
(
の
)
れ。』と、
天滿與力
(
てんまよりき
)
に
舟
(
ふね
)
から
引
(
ひ
)
きおろされた
百姓
(
ひやくしやう
)
町人
(
ちやうにん
)
の
群
(
むれ
)
に
向
(
むか
)
つて
聲
(
こゑ
)
をかけた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
鼠
(
ねづみ
)
が「おぢさんわたいのやうな
小
(
ち
)
いさなものをいぢめたつてあなたの
手柄
(
てがら
)
にもなりますまい」つて
言
(
い
)
つたらライオンは「ハヽヽヽなるほどさうだ」つて
許
(
ゆる
)
してやつた。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
但
(
ただ
)
し、
当局側
(
とうきょくがわ
)
の
見解
(
けんかい
)
では、まだ十
分
(
ぶん
)
なきめ
手
(
て
)
がない。
監視
(
かんし
)
つきでひとまず
帰宅
(
きたく
)
を
許
(
ゆる
)
したのであつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
この歌は、「人の
許
(
ゆる
)
さむことをし待たむ」というのが好いので選んだ。男が女の許すのを待つ、気長に待つ気持の歌で、こういう心情もまた女に対する恋の一表現である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
昔
(
むかし
)
は
苗字
(
めうじ
)
は
武士階級
(
ぶしかいきふ
)
以上
(
いじやう
)
に
限
(
かぎ
)
られたが、
維新
(
いしん
)
以來
(
いらい
)
百
姓
(
しやう
)
町人
(
ちやうにん
)
總
(
すべ
)
て
苗字
(
めうじ
)
を
許
(
ゆる
)
されたので、
種々雜多
(
しゆ/″\ざつた
)
な
苗字
(
めうじ
)
が
出現
(
しゆつげん
)
し、
苗字
(
めうじ
)
を
氏
(
うぢ
)
とも
姓
(
せい
)
とも
呼
(
よ
)
ぶ
事
(
こと
)
になつて
今日
(
こんにち
)
にいたつたのである。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
ヂュリ さア、
好
(
す
)
いても
見
(
み
)
ませう、
見
(
み
)
て
好
(
す
)
かるゝものなら。とはいへ、わたしの
目
(
め
)
の
矢頃
(
やごろ
)
は、
母
(
はゝ
)
さまのお
許
(
ゆる
)
しをば
限
(
かぎ
)
りにして、それより
強
(
きつ
)
うは
射込
(
いこ
)
まぬやうにいたしませう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
因
(
よつ
)
て
其駁雑
(
そのはくざつ
)
を
刪
(
けづ
)
り、
校訂
(
かうてい
)
清書
(
せいしよ
)
し、
図
(
づ
)
は
豚児
(
とんじ
)
京水に
画
(
ゑがゝ
)
しめしもの三巻、
書賈
(
しよか
)
の
請
(
こひ
)
に
応
(
おう
)
じ老人に
告
(
つげ
)
て
梓
(
し
)
を
許
(
ゆる
)
し
以
(
もつて
)
世
(
よ
)
に
布
(
しき
)
しに、
発販
(
はつはん
)
一挙
(
いつきよ
)
して七百
余部
(
よぶ
)
を
鬻
(
ひさげ
)
り。
是
(
これ
)
に
依
(
より
)
て
書肆
(
しよし
)
後編
(
こうへん
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
六
号室
(
ごうしつ
)
の
中
(
うち
)
でこのモイセイカばかりは、
庭
(
にわ
)
にでも
町
(
まち
)
にでも
自由
(
じゆう
)
に
外出
(
でる
)
のを
許
(
ゆる
)
されていた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
他の国にゆかしめば、必ずも後の
禍
(
わざはひ
)
となるべしと、
苦
(
ねんごろ
)
に教へて、又商鞅を
私
(
ひそ
)
かにまねき、吾汝を
一三四
すすむれども王
許
(
ゆる
)
さざる色あれば、用ゐずばかへりて汝を害し給へと教ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
保安上
(
ほあんじやう
)
容易
(
ようい
)
ならぬ
問題
(
もんだい
)
であるといふので(それに
濫
(
みだ
)
りに
神社呼
(
じんじやよば
)
はりを
爲
(
す
)
る
事
(
こと
)
は
法律
(
はふりつ
)
の
許
(
ゆる
)
さぬ
處
(
ところ
)
でもあるので)
奉納
(
ほうのう
)
の
旗幟
(
はたのぼり
)
、
繪馬等
(
ゑまとう
)
を
撤
(
てつ
)
せしめ、
窟
(
いはや
)
から
流出
(
りうしゆつ
)
する
汚水
(
をすい
)
を
酌取
(
くみと
)
るを
禁
(
きん
)
じ
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
シロクシナスを
牢舎
(
らうや
)
に
入
(
い
)
れたのは、
我
(
わ
)
が
誤
(
あやま
)
り、第一
国内
(
こくない
)
で一
等
(
とう
)
の
学者
(
がくしや
)
といふ
立派
(
りつぱ
)
の人物を
押込
(
おしこ
)
めて置くといふは悪かつた、とお
心附
(
こゝろづ
)
きになりましたから、
早速
(
さつそく
)
シロクシナスを
許
(
ゆる
)
して
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「小父さん、もう悲しまないでね。もう
意地悪
(
いじわる
)
はしないよ。
許
(
ゆる
)
しておくれよ。僕は
小父
(
おじ
)
さんが大好きだ!」しかし
彼
(
かれ
)
はいえなかった。——そしていきなり
小父
(
おじ
)
の
腕
(
うで
)
の中にとびこんだ。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
此期に及び多くは言はじ、只〻御邊が
許
(
ゆる
)
しを願ふのみ
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
交易の品に御定め
売捌所
(
うりさばきじょ
)
、御
許
(
ゆる
)
し御座ありたく候
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
許
常用漢字
小5
部首:⾔
11画
“許”を含む語句
幾許
少許
許多
其許
御許
許嫁
許可
心許
許婚
聴許
許容
許諾
許六
許婚者
奥許
免許
国許
耳許
勝手許
差許
...