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猛風
その
雪途もやゝ半にいたりし時
猛風俄におこり、
黒雲空に
布満て
闇夜のごとく、いづくともなく火の玉飛来り
棺の上に
覆かゝりし。
その
雪途もやゝ半にいたりし時
猛風俄におこり、
黒雲空に
布満て
闇夜のごとく、いづくともなく火の玉飛来り
棺の上に
覆かゝりし。
吾が国に
雪吹といへるは、
猛風不意に
起りて
高山平原の雪を
吹散し、その風四方にふきめぐらして
寒雪百万の
箭を
飛すが如く、
寸隙の
間をも
許さずふきいるゆゑ