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ゆる
ふりがな文庫
“
聴
(
ゆる
)” の例文
旧字:
聽
阿那律寡婦に語りて言う、もし我に由らば、ことごとく宿を
聴
(
ゆる
)
すべしと。賈客すなわち前に
進
(
い
)
る。寡婦またこれなる念いを作す。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
養老の喪葬令に、三位以上及び別祖、
氏宗
(
うじのかみ
)
の外は墓を造ることを得ず、また墓を造る資格ある者でも、大蔵を慾する者は
聴
(
ゆる
)
せと規定してある。
本朝変態葬礼史
(新字新仮名)
/
中山太郎
(著)
父も此一件から急に
我
(
が
)
を折って、
彼方此方
(
あちこち
)
の親類を
駈廻
(
かけまわ
)
った結果、金の
工面
(
くめん
)
が漸く出来て、最初は
甚
(
ひど
)
く行悩んだ私の遊学の願も、存外難なく
聴
(
ゆる
)
されて
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
若
(
も
)
し人の一枝の草一把の上を持ちても像を助け造らんと情願する者あらば
恣
(
ほしいまま
)
に
之
(
これ
)
を
聴
(
ゆる
)
せ、国郡等司此の事に
因
(
よ
)
りて百姓を
侵擾
(
しんぜう
)
して強ひて
収斂
(
しうれん
)
するなかれ
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
しかしそれでもなお不平な公卿があって、禁色を
聴
(
ゆる
)
された者が雑役に服する例のないことを言い張り、将軍参内当日には祗候せぬ、とダダをこねた話もある。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
▼ もっと見る
幼にして僧とならん事を願ったが父の
聴
(
ゆる
)
しを得なかったので十三歳の時津藩の督学
平松楽斎
(
ひらまつがくさい
)
の門生となり、三年の後十六歳にして家を出で東海東山両道を漂泊し
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
麻多智
(
またち
)
大いに怒りの
情
(
こころ
)
を起し云々、
駈
(
は
)
せ逐いてすなわち山口に至り、
梲
(
つえ
)
(杭)を標して堺の堀に置き夜刀神に告げていわく、これより以上は神の地たることを
聴
(
ゆる
)
す
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何故
(
なにゆえ
)
というに、もし成善が母と
倶
(
とも
)
に往こうといったなら、藩は放ち遣ることを
聴
(
ゆる
)
さなかったであろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
神聖なる法文の曲解を
聴
(
ゆる
)
すことなく、常人律をもってこれを論じ、三蔵の行為を謀殺未遂として無期徒刑に処し、我憲法史上に汚点を残すことを免かれたのであった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
大宝の喪葬令には、三位以上及び別祖・氏宗のほかは墓を営むをえず、また墓を営むをうる資格あるものといえども、もし大蔵せんと欲するものは
聴
(
ゆる
)
せと規定してある。
火葬と大蔵:焼屍・洗骨・散骨の風俗
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
当
(
まさ
)
に掖廷に
納
(
い
)
れて、后宮の数に
盈
(
ア
)
つべしと。天皇
聴
(
ゆる
)
す。……丹波の五女を
喚
(
メ
)
して、掖廷に納る。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
かの牝虎の自選を
聴
(
ゆる
)
せと、時に一牛王あり牝虎に向いて
偈
(
げ
)
を説く、〈世人皆我の糞を取り持ち用いて地に塗りて清浄と為す、この故に端正なること㹀虎に
賢
(
まさ
)
れり
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
臣は今日
出家
(
いへで
)
して、
陛下
(
きみ
)
の為めに
功徳
(
のりのこと
)
を
修
(
おこな
)
はむと
欲
(
おも
)
ふ。天皇
聴
(
ゆる
)
したまふ。
即日
(
そのひ
)
出家して
法
(
ころも
)
を
服
(
き
)
たまふ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
越後
権介
(
ごんのすけ
)
に任じ、同日院昇殿を
聴
(
ゆる
)
され、その後
弾正少弼
(
だんじやうせうひつ
)
を経て修理大夫に至り、位は天保十三年十二月廿二日従四位上に叙せられたことまでは、
地下家伝
(
ぢげかでん
)
によつて知ることが出来る。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
寡婦言う、
本
(
も
)
とこれを以てにあらずと、すなわち
具
(
つぶ
)
さに情を以て告ぐ。阿那律言う、姉妹よ我等はまさにこの悪業を
作
(
な
)
すべからず、世尊の制法もまた
聴
(
ゆる
)
さざる所なりと。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ただ願わくは父母我に出家を
聴
(
ゆる
)
せと望み、父母放たざるを引き放ちて
祇洹精舎
(
ぎおんしょうじゃ
)
に詣り出家したそうじゃ、竜女が殺さるるところを救うたのも、竜宮へ迎えて珍饌で饗応されたのも
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
仏在世、一種姓竜肉を食い、諸比丘またこれを食うあり、竜女仏の
牀前
(
しょうぜん
)
に到りて泣く、因って仏竜の血骨筋髄一切食うを禁じ、身外皮膚病あらば竜の骨灰を塗るを
聴
(
ゆる
)
すとあるも、この蜥蜴であろう。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
受戒を
聴
(
ゆる
)
さぬ定めだったのだ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
聴
常用漢字
中学
部首:⽿
17画
“聴”を含む語句
聴聞
聴衆
聴許
聴取
吹聴
聴耳
立聴
聴者
聴診器
聴入
聴手
傾聴
傍聴
謹聴
聴牌
道聴途説
盗聴
拝聴
聴納
聴知
...