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ゆる
ふりがな文庫
“
動
(
ゆる
)” の例文
業政は在五中将
業平
(
なりひら
)
の
裔
(
すえ
)
であり、智謀すぐれた人物で、七年このかた武田氏に攻められながら、好防善戦かたく守って
動
(
ゆる
)
がなかった。
一人ならじ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
のつそりハッと俯伏せしまゝ五体を
濤
(
なみ
)
と
動
(
ゆる
)
がして、十兵衞めが生命はさ、さ、さし出しまする、と云ひし
限
(
ぎ
)
り
喉
(
のど
)
塞
(
ふさ
)
がりて言語絶え
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
案内も無くかかる内証の席に立入りて、彼等の
各
(
おのおの
)
心得顔なるは、必ず子細あるべしと思ひつつ、彼は
少
(
すこし
)
く座を
動
(
ゆる
)
ぎて
容
(
かたち
)
を改めたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この神秘ともいい得るところの、
動
(
ゆる
)
ぎなき教育の立場をもつことなしに、どんな方法を講じても、それは詰め込みにばかりなってしまいます。
おさなごを発見せよ
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
黒船町の金田屋には、石原の子分衆が三四人、家の者を見張つて、貧乏
動
(
ゆる
)
ぎもさせずに平次を待つて居りました。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
角
(
つの
)
目立ったイライラしい声が、急に鳴り出して、高まると共に、はたと断絶する。沢や崖腹から、岩石がおのずと
動
(
ゆる
)
ぎ出して、河原へ落下する、その音だ。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
長い/\プラツトフオームに数限りなき
掲燈
(
あかり
)
が昼の如く輝き初めた時、三人を乗せた列車が緩やかに
動
(
ゆる
)
ぎ出して、秋の夜の
暗
(
やみ
)
を北に一路、刻一刻東京を遠ざかつて行く。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
栗谷
(
くりたに
)
の布晒し岩から、それと並んだ
麻尼
(
まに
)
の立て岩、
箭渓
(
やだに
)
の
動
(
ゆる
)
ぎ石の三つの大岩にかけて、昔は山姥が布を張って乾していたといいました。この間が二里ばかりもあります。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
無定限な夢の世界から定限ある
現
(
うつゝ
)
の世界へ呼びさました。人は初めて
動
(
ゆる
)
ぎなき大地に足を着けて、人間の生活を如實に觀た。物質の力の偉大なことも初めて知ることが出來た。
生みの力
(旧字旧仮名)
/
片上伸
(著)
この時までも目を放たで直立したりし黒衣の人は、濶歩坐中に
動
(
ゆる
)
ぎ
出
(
いで
)
て、燈火を仰ぎ李花に
俯
(
ふ
)
して、厳然として椅子に
凭
(
よ
)
り、
卓子
(
ていぶる
)
に
片肱
(
かたひじ
)
附きて、眼光一
閃
(
せん
)
鉛筆の
尖
(
さき
)
を
透
(
すか
)
し見つ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黄ばんだ
梢
(
こずえ
)
は
動
(
ゆる
)
ぐとも見えぬ先に
一葉
(
ひとは
)
二葉
(
ふたは
)
がはらはら落ちる。あとはようやく助かる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
忽然
(
こつぜん
)
として
動
(
ゆる
)
ぎ出て石の下より一声「待て」と呼ぶや否、両頭の大蛇首を挙げて追い来たれり、彼は飛ぶごとくして遁げ走りたるも、足はただ同じ地のみを踏める間に大蛇はすでに寸後にせまり
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
轟く
波凝
(
なごり
)
、
動
(
ゆる
)
がぬ
岩根
(
いはね
)
、靡く藻よ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
朝明
(
あさけ
)
の
霧
(
きり
)
に
動
(
ゆる
)
ぎつゝ
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
霞よ雲よ
動
(
ゆる
)
ぎいで
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
のっそりハッと
俯伏
(
うつぶ
)
せしまま五体を
濤
(
なみ
)
と
動
(
ゆる
)
がして、十兵衛めが
生命
(
いのち
)
はさ、さ、さし出しまする、と云いしぎり
咽
(
のど
)
塞
(
ふさ
)
がりて言語絶え
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この時までも目を放たで直立したりし黒衣の人は、
濶歩
(
かっぽ
)
坐中に
動
(
ゆる
)
ぎ
出
(
いで
)
て、燈火を仰ぎ李花に
俯
(
ふ
)
して、厳然として椅子に
凭
(
よ
)
り、
卓子
(
ていぶる
)
に
片肱
(
かたひじ
)
附きて、眼光
一閃
(
いっせん
)
鉛筆の
尖
(
さき
)
を
透
(
すか
)
し見つ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この負けん氣の中年男は、事毎に平次に
盾
(
たて
)
を突き、例外なしに平次にしてやられながら、その勢力にも足場にも貧乏
動
(
ゆる
)
ぎもさせない、不思議なボス的戰鬪力の持主だつたのです。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
轟
(
とどろ
)
く
波凝
(
なごり
)
、
動
(
ゆる
)
がぬ
岩根
(
いはね
)
、
靡
(
なび
)
く藻よ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
動
(
ゆる
)
ぎなし底つ
磐根
(
いはね
)
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
霞
(
かすみ
)
よ雲よ
動
(
ゆる
)
ぎいで
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
西方尾嚕叉廣目天王
(
さいはうびろしやくわうもくてんわう
)
、
南方毘留勒叉増長天
(
なんぱうびるろしやぞうちやうてん
)
、
北方毘沙門多聞天王
(
ほつぱうびしやもんたもんてんわう
)
、四天にかたどる四方の柱千年万年
動
(
ゆる
)
ぐなと祈り定むる
柱立式
(
はしらだて
)
、
天星色星多願
(
てんせいしきせいたぐわん
)
の玉女三神
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ゆき
短
(
みじか
)
な右の手に、畳んだままの扇を取って、温顔に微笑を含み、
動
(
ゆる
)
ぎ出でつ、ともなく客僧の前へのっしと坐ると、気に
圧
(
お
)
された僧は、ひしと
茶斑
(
ちゃまだら
)
の大牛に
引敷
(
ひっし
)
かれたる心地がした。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
動
(
ゆる
)
ぎなし底つ
磐根
(
いはね
)
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
西方尾嚕叉広目天王
(
さいほうびろしゃこうもくてんおう
)
、
南方毘留勒叉増長天
(
なんぽうびるろしゃぞうちょうてん
)
、
北方毘沙門多聞天王
(
ほっぽうびしゃもんたもんてんおう
)
、四天にかたどる四方の柱千年万年
動
(
ゆる
)
ぐなと祈り定むる
柱立式
(
はしらだて
)
、
天星色星多願
(
てんせいしきせいたがん
)
の
玉女
(
ぎょくじょ
)
三神
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
天の
半
(
なかば
)
を一面に蔽ひて、十万の大兵野を占めたる如く動かすべくもあらぬさまに黒みわたり、しかも其中に風を含みたりと覚しく、今や
動
(
ゆる
)
ぎ出さんとする風情
雲のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
裏付股引
(
うらつきももひき
)
に足を包みて
頭巾
(
ずきん
)
深々とかつぎ、
然
(
しか
)
も下には帽子かぶり、二重とんびの
扣釼
(
ぼたん
)
惣掛
(
そうがけ
)
になし
其上
(
そのうえ
)
首筋胴の
周囲
(
まわり
)
、
手拭
(
てぬぐい
)
にて
動
(
ゆる
)
がぬ
様
(
よう
)
縛り、
鹿
(
しか
)
の皮の
袴
(
はかま
)
に
脚半
(
きゃはん
)
油断なく
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
五重
巍然
(
ぎぜん
)
と聳えしさま、金剛力士が魔軍を
睥睨
(
にら
)
んで十六丈の姿を現じ
坤軸
(
こんぢく
)
動
(
ゆる
)
がす足ぶみして
巌上
(
いはほ
)
に突立ちたるごとく、天晴立派に建つたる哉、あら快よき細工振りかな
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
だんだん足場を取り除けば次第次第に
露
(
あら
)
わるる一階一階また一階、五重
巍然
(
ぎぜん
)
と
聳
(
そび
)
えしさま、金剛力士が魔軍を
睥睨
(
にら
)
んで十六丈の姿を現じ
坤軸
(
こんじく
)
動
(
ゆる
)
がす足ぶみして
巌上
(
いわお
)
に突っ立ちたるごとく
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
動
常用漢字
小3
部首:⼒
11画
“動”を含む語句
動揺
自動車
挙動
動作
行動
動搖
衝動
運動
動物
動悸
煽動
震動
身動
微動
活動
擧動
動機
乗合自動車
活動写真
制動機
...