“片肱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたひじ96.8%
かたひぢ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取って返しの勢いで、十夜頭巾の侍が、ぴたぴたと自分の影へ寄ってくるのに、橋の女は、その欄干に片肱かたひじもたせて澄ましたもの。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取っつきのしつには粗末な木地のテーブルに、ミルクの空罎からびんだのつまったのだの、ゴチャ交ぜに並べた、その横に片肱かたひじをついて
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
『天下の奇蹟だね。』とくちばしを容れて、古洋服の楠野君は横になつた。横になつて、砂についた片肱かたひぢの、たなごゝろの上に頭を載せて、寄せくる浪の穗頭を、ズット斜に見渡すと、其起伏の樣が又一段と面白い。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)