“かたひじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
片肱34.5%
片肘24.1%
肩肱17.2%
肩肘13.8%
片臂3.4%
肩臂3.4%
隻肱3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取っつきのしつには粗末な木地のテーブルに、ミルクの空罎からびんだのつまったのだの、ゴチャ交ぜに並べた、その横に片肱かたひじをついて
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「どなた? ……」医家の尊厳を保つために、机の前へ帰って、片肘かたひじを乗せ、「ご病気でござるか、て進ぜよう、さあお上がりなされ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはまるでムキ出しな浪人伝法ろうにんでんぽう。一角ほど肩肱かたひじは張らないが、その代りに、黙って刀が先にものをいいそうだ。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万次はことごとくしおれ返っております。これが筋彫すじぼり刺青いれずみなどを見栄みえにして、やくざ者らしく肩肘かたひじを張っていたのが可笑おかしくなるくらいです。
郡内ぐんないのふとんの上に掻巻かいまきをわきの下から羽織った、今起きかえったばかりの葉子が、はでな長襦袢ながじゅばん一つで東ヨーロッパの嬪宮ひんきゅうの人のように、片臂かたひじをついたまま横になっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
双方の壮士が互い違いに坐っているので互いに肩臂かたひじを張って睨み合ったまま、誰も腰を上げ得ずにいる時に、進藤がツカツカと立上って、その首領某の襟首を背後から引掴むと
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
主翁ていしゅはしかたなくあがった。玄関の火鉢ひばちの傍には一人の書生がいて、それが火鉢に隻肱かたひじを突いてねむっていた。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)