片臂かたひじ)” の例文
「趙雲は、先帝以来の功臣、蜀の棟梁とうりょうたる者であった。大きくは国家の損失であるし、小さくは、わが片臂かたひじを落されたようなここちがする」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郡内ぐんないのふとんの上に掻巻かいまきをわきの下から羽織った、今起きかえったばかりの葉子が、はでな長襦袢ながじゅばん一つで東ヨーロッパの嬪宮ひんきゅうの人のように、片臂かたひじをついたまま横になっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
衣服をかたぬぎながら、関羽はきずを病んでいる片臂かたひじを医師の手にまかせ、なお右手では碁盤に石を打っていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)