“免:ゆる” の例文
“免:ゆる”を含む作品の著者(上位)作品数
岡本綺堂22
吉川英治20
三遊亭円朝8
幸田露伴6
森鴎外6
“免:ゆる”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸21.0%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 伝説・民話[昔話]20.0%
文学 > 中国文学 > 小説 物語3.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ゆるされし罪は消えぬべきも、歴々まざまざ挫傷すりきずのそのおもてに残れるを見れば、やましきに堪へぬ心は
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これを証真寺というは、疑獄の真偽をたださんため本人を池に投ずるに、その言真なれば鱷これをゆるし偽なれば必ず噉う。
これは師たる兼松石居がすで屏居へいきょゆるされて藩の督学を拝したので、その門人もまた挙用せられたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
其処に転生して、其土地の人と共食すると、異形身に化して了うて、其国の主のゆるしが無ければ、人間身に戻る事は出来ない。
「そうおっしゃるなら、ゆるして上げましょう、今晩はあなたの精進をさまたげないで上げましょう、では、わたしが代って」
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鹽「黙れ、貧の盗みだなどと申し、左様な事にだまされるようなものではない、今度はゆるして遣わす、以後たしなむか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
十一才の誕生の日には母のゆるしを得て一日学校を休み、例の通り少しばかりのいはひをしてらいました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
「そちは御城下十里四方おかまいの孫平治ではないか。いくら改心してもおゆるしの出ないうちは、御城下に立入る事ならん」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武「云わんか、云わんと云えばゆるさんよ、隠立てを致せば捨置かれんから両人共近所に自身番が有ろうから夫れへ連れてく」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
といって、勿論こいつをゆるすことは出来ませんから、かたのごとく下調べをして、大番屋へ送り込んでしまいました。
半七捕物帳:64 廻り灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
長吉ちょうきちはやっとゆるされてそのがた学校がっこうもんたのでありました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしわる御座ござりましたゆるしてゆるしてとむねいてくるしさうにもだゆれば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これにも、御腹に、御名を伝へるべき皇子のないのを歎かれた為に、主上私部を立てることをゆるされた事になつてゐる。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
市丸太夫は表向きに彼を罪にすべきかどもないので、ただ叱り置くというだけでゆるされたが、すぐに宿を引き払って故郷へ帰った。
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『莫迦に僕を邪魔にする! が、マアゆるして置け。その代り儲かつたら、割前を寄越さんと承知せんぞ。左樣なら。』
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「どうぞおゆるし下さい。坊ちゃんは一時間もすればきっと醒めます。どうぞあの本のことだけはいわないで下さい。」
「四民を悩ます害虫ども、もはやゆるしはおかぬ。涿県たくけん劉備玄徳りゅうびげんとくが腕のほどを見よや」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
筆には毛頭罪なき事であればおゆるしを願いたき趣を訴え出でたるが全く其の方が盗み取ったる金子を是なる筆に遣わしたに相違ないか
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新五郎「手前女房の縁に引かされて三藏の贔屓ひいきをするが、其の家を相続して己をあだに思うか、サアうなればゆるさぬぞ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それは神様があなたにお授け下さるでせう。どうぞわたくしの悪かつた事をゆるして下さい。」かう云つてセルギウスは立ち去らうとした。
唯、其相聞贈答の短歌を中心に、多少律文学の歴史に言ひ及すことは、ゆるされて居る、と思うてもよさ相である。
ばばは、ひと事みたいに茫然とつぶやいた。殺す意志はなかった。あくまで、彼女をゆるす気もないが、こうまでする気もなかったのである。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
案じるよりも産むが易いのたとえで、思いのほかに主人がこころよくゆるしてくれるかも知れないと言った。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そのうち罪なくして罰せられたものが一人と、罪あつてゆるされたものが一人と、引き續いて出來て、どちらも十太夫に連係した事件であつた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
あれだけの仕置をしたらもう十分であるから、このままにゆるしてやるのが無事であろうと、彼は云い聞かせた。
半七捕物帳:23 鬼娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
孔明は膝を打って、自ら彼の縄目——また祝融夫人、孟優、帯来など、眷族けんぞくの縄をみな解きゆるして、
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど、正直者がしいたげられて、悪智恵のある奴が、威張りちらしたり、巨富を積んで、ぜいたくするのを、ゆるしてはおけないからな。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かりそめにも疑わしいふしがあったらゆるさぬぞという眼ざしが、こんどは明らかに、実平の眸から燃えていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どんなことを致しても、詫びればゆるされるものと考えさせては、却って、この少年の将来のためにならぬ」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
追立の役人十数騎の中に、特にゆるしをうけたものとみえ、叔父の祐範と纐纈こうけつ源吾のふたりの顔もじって後からいて来る。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「父上も、叔父御も、ご老体、お達者にお暮らしください。云い開きが立てば八十三郎もすぐゆるされて帰って来ます。……では、行って参ります」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それはわしの過失あやまちじゃ。ゆるしてたもれ」と、千枝太郎は枯草の霜に身をなげ伏して泣いた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小「てまいは何んだ、賊だな、音羽が左様のことでわしに無心をいうわけはない、また金はもとより懐中には無いが、寄り附くとゆるさんぞ」
弟の孟優も朶思大王だしだいおうも、同時にゆるした。三名は馬を貰って、愧ずるが如く、逃げ帰った。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帝は不憫に思ったが、法をげて彼をゆるすことを好まないので、ひそかにその亀を彼にあたえた。
私は彼女をしっかりと押さえて、私の言うことをよく聞いて、わたしをゆるしてもらいたいと切願すると、彼女はわたしの口から眼へかけて鞭で打った。
「ハハハ。悪戯いたずらもするが、賢いやつ。……父上、慶次までが、こう案じておりまする。長頼の最前の失言は、どうぞゆるしてあげて下さいませ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「馬鹿者ッ。詑びたとてゆるさぬと言うたら免さぬわッ。さ! 抜けッ。抜かずばブッタ斬るぞッ」
六郎 待て、待て。貴樣たちが逃げたからと云つて濟むわけのものではない。かたき討はゆるしてやる代りに、その罪ほろぼしに彦三郎さんの味方をするか。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
——これ味方にとっては大幸といえますが、天下の法を道に照らしては、ゆるし難き不忠不義です。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母「何かせがれが不調法を致しまして申訳がありません、何卒どうぞゆるし下さいまし」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
また一方には親方の庄蔵から町名主まちなぬしにその事情を訴えて、六三郎の赦免をしきりに嘆願したので、結局六三郎はお構いなしということでゆるされた。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あたしは、あの人がどんなにあやまつたつて、こればかりはゆるせないと思つてゐるんでせう。
驟雨(一幕) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
しの「はい、誰方どなたかハア知んねえが、お這入んなせえましよ、お嬢さまのお詫ならんな人でもゆるさねえばなんねえから、まア這入んなせえましよ」
玄徳の弁護は、まるで骨肉をかばうようだった。孔明は、沈黙してしまったが、なおそれをゆるすにしても、こう彼自身の信念を注意しておくことを忘れなかった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老年になってからは、君前で頭巾ずきんをかむったまま安座することをゆるされていた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
U氏がコンナ事でYをゆるすような口吻くちぶりがあるのが私には歯痒はがゆかった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
やれ、浅ましい。まったくもって、この慮外は、我を忘れた不埒ふらちにございました。……がしかし、これも憂国のほとばしりと、あわれ、みゆるしあらせ給え。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、きょうのところはともかくもゆるして置くから、よく分別して見ろ。卑怯者め」
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
梅「いやさ、云わんければ手前はなぶごろしにしても云わせなければならん、其の代り云いさえすれば小遣こづかいの少しぐらいは持たしてゆるしてやる」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ありがとう存じまする。それでおゆるし下さるものなら、苗木は必ず差し出しまする」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かたきはきっと取る。家老でもゆるすものか」と、伝兵衛は再びおごそかに云った。
半七捕物帳:33 旅絵師 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
勝久は浜町の師匠と女師匠とに請うに、亡人に代って勝四郎をゆるすことを以てした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「もってのほかのことだ。もし事実とすれば、李厳たりとも、ゆるしてはおかれない」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老病死苦のゆるさぬ身をもて貪瞋痴毒とんじんちどくごふをつくり、私邸に起臥しては朝暮衣食いゝしの獄に繋がれ、禁庭に出入しては年月名利のあなに墜ち
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「我等に負債おいめある者を我等がゆるす如く我等の負債おいめを免し給え」
その代りに銘々めいめいに何か望みの本や玩具を買ってやる事にして、それで現代が生み出したこの一種の新しい父親の義務といったようなものをゆるしてもらう事にした。
小さな出来事 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
權「むう、余程悪い事をしたな、ゆるすめえ、困ったなア、なに物を喰わねえ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なぜ成らぬ。」と、師直は憫れみを乞うように掻き口説いた。「父が手を下げて、これほど頼むというに……。娘とは思わぬ。救いの神じゃ。どうぞゆるして命だけは……。」
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
私の店の屋号は岸屋で、町内では旧家の一つでした。そして脇差をさす事をゆるされていた。私の幼い時の名は誠太郎であったが、後に富太郎となった。これが今日の名である。
我腦中には唯〻我はゆるすべからぬ罪人なりと思ふ心のみ滿ち/\たりき。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「いや、断じて、あのままにはゆるし置けん——とは、思っているが——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
我脳中には唯〻我はゆるすべからぬ罪人なりと思ふ心のみ満ち/\たりき。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ゆるせ免せと言うところじゃが、——あれはの、生れだちから違うものな。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
「猿。おれは追剥おいはぎをして捕まったんだが、ゆるされるだろうか」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若又此約束を違へて参らざる者は、雲の原までもさがし出し、其身の事は申に及ばず、一門までも成敗すべしと有て、すなはち籠の戸をひらき、数百の科人をゆるし出して放されけり。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
ようやくゆるされて祇園精舎ぎおんしょうじゃに至り、舎利弗の呪願を羨み習うたばかりに重ね重ねの憂き目を見たと語り、仏その因縁を説くのだが余り長くなるから中止としよう。
お縫 それはわたしが知り合の者、粗相はゆるしてやつてはくれまいか。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
けれど、その総括そうかつは、飽くまで自己のになければならないのである。彼の原則として、もしその統御とうぎょおかす者などあれば、断じてゆるす彼ではない。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
争って出て来たのは、みな年少の小姓ばらであった。福島市松はその中にいない。いまゆるしが出たので朋輩ほうばい裸体はだかになって谷川へ行水を浴びに行ったという。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほかの者が縛って突き出そうと云っても善昌がなだめてゆるしてやる。
半七捕物帳:21 蝶合戦 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一、二年の後には互いに馴れて、縛って置くことをゆるされたが、初めのうちは島びとがあつまって酒を飲むたびに、彼をその席へひき出して、焼けた鉄火箸を彼の股へあてるのである。
火を城に放とうと思うたのであると苦しい答弁をしたのでゆるされたが
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
人々は、彼の人物を惜しんだが、王允は獄に下して、ゆるさなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お菊 その疑ひももう晴れました。おゆるしなされてくださりませ。
番町皿屋敷 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「もし、ご夫人の兄たるお方を、お手討ちになどされたら、主君玄徳は、かえって二度と荊州へ参らないかも知れません」と、そばから口添えしたので、劉表も彼をゆるすに免しよかった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天皇憐愍れんみんして使を遣して犯状の軽重を覆審ふくしんせしむ。是に於きて、恩をくだしてことごとくに死罪已下いげゆるし、並に衣服を賜ひ、其れを自ら新にせ令む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
自分をゆるしてくれた市之助の料簡は、彼にもよく判っていた。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「どうか、このままおゆるしなすって下さいまし、歩けません」
国王大きに悦びて、これも皆彼者かのもの智慧ちえありしゆえなればと、彼大臣を呼びいだして恩賞の沙汰さたありけるに、この御恩賞としては願はくは臣が罪をゆるしたまへ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
どうぞ道徳の掟を己に当てめることだけはゆるしてくれ。
何事をも永遠にゆるすものの目の前で、のた打ち廻るような必死の苦痛を、最初たった一人が受けたなら、その外の一切の人間の罪は、もうそれであがなってあまりあろうではないか。
ほかの関係者はともかくも、千吉だけはゆるして置かれないと思ったが、かれを表向きに突き出せば関係者一同もその係り合いを逃がれられないので、半七は我慢して彼をも見逃がすことにした。
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「その疑いももう晴れました。おゆるしなされて下さりませ」
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なぜならばおよそ懺悔というものは自分のこれまでした罪業ざいごうの悪い事を知って其罪それを悔いどうかこれをゆるしてくれろ、これから後は悪い事しないというのが一体の主義である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
一、天下有志の者出席をゆるし給うべき事(居寮寄宿を免す)
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
もっともの次第とあって倒れた動物を食う事をゆるされた。
安居あんごのお妨げ、何とぞおゆるしくださりませ。」
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
山椒さんしよは小粒で珍重されると高い事をいふに、この野郎めと脊をひどく打たれて、有がたう御座いますと済まして行く顔つきせいさへあれば人串談ぢようだんとてゆるすまじけれど
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
挂塔けいとうゆるされたのが、去年の霜月であったから、安居あんごはまだ半年に及んだばかりであったけれども、惟念の念頭からは、諸々もろもろの妄念が、洗わるるごとくに消えて行った。
仇討三態 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
更にものおぼえずつみゆるし給へ云々うんぬん
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
犯しゝとがもあらねば、ゆるすべき筋の事もなし。
じょちゅうげなんあやまちをしでかして、主婦に折檻せっかんせられるような時には、嬰寧の所へ来て、一緒にいって話してくれと頼むので、一緒にいってやるといつもゆるされた。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
——こうされたことも共に神にゆるされねばならぬ——
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
不相応なる者を奥深く出入りをゆるし不取締りにて候。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
私は今夜、慈母のやうに甘えることのできる神を発見した。私の弱つた魂にあなたは祈祷の義務をゆるして下さるだらう。あまつさへあなたは私の疲れた眼の上に安眠のヴェールを曳いて下さるだらう。
愛は、力は土より (新字旧仮名) / 中沢臨川(著)
「その一緒について來たと云ふ奴はどうしたらう。Fが引張られたのを見て逃げちまつたか、それとも今にFがゆるされて出て來るかと思つて、時計が惜しくてまだこの邊にうろ/\してるんだらうか」
不良児 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
といっても、これだけの返答でゆるされるはずもない。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
硝子ガラス窓以下粉砕せざるなく、助けに駈け付けた人々も皆打たれたので、亭主盗み置いた小驢と机懸けを返してようやくゆるされ、かの児はくだんの三物をもって家に帰り母と安楽に富み暮した
幸いにしてその時、徳川の政府にてこの乱暴人を刑に処したればこそ無事に治まりたれども、もしもこれをゆるすことあらば、吉良家の一族また敵討ちとて赤穂の家来を殺すことは必定ひつじょうなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)