“歯痒”のいろいろな読み方と例文
旧字:齒痒
読み方割合
はがゆ93.8%
はが6.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
疾風しっぷうのごとく飛んで行く八五郎、その忠実な後ろ姿を見送ってどうして今まで手を抜いていたか、平次は自分ながら歯痒はがゆい心持でした。
U氏がコンナ事でYをゆるすような口吻くちぶりがあるのが私には歯痒はがゆかった。Yは果してU氏の思うように腹の底から悔悛くいあらためたであろう乎。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
むす子のこんなことすら頼母しがるお嬢さん育ちの甘味の去らない母親を、むす子はふだんいじらしいとは思いながら、一層歯痒はがゆがっていた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その代り、妻が小心で正直すぎるために、清吉は、他人ひとから損をかけられたり儲けられる時に、儲けそこなって歯痒はがゆく思ったりすることがたび/\あった。
窃む女 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)